23区定員抑制
「学問の自由を制約」
東京23区内の私立大学・短大の定員を抑制する方針を、都心回帰の傾向が続く大学側には、反発や戸惑いが広がっている。
法政、明治、関西の3大学長はさきごろ、都内で記者会見を開いた。3大学による単位交換などの連携協定の締結が理由だったが、国の方針への反発もにじんだ。
法政大の田中優子総長は「地方の学生が東京で学ぶことで、自分の力が相対化される」と語り、都心の定員抑制が地方にとってもデメリットとなると強調した。明治大学の土屋恵一郎学長は「地域のなかに入ればよいという発想。日本の大学の競争相手がアジアになっていくなかで矛盾点が多い」と憤った。
中央大は15年11月多摩(東京都八王子市)、後楽園(同文京区)の2大キャンパス整備の計画を発表した。法学部を22年度に、多摩から後楽園に移すのが目玉。酒井正三郎学長は23区の定員抑制が「学問の自由や教育を受ける権利に対する重要な制約となりかねない」と話す。
専修大は、神田キャンパス(同千代田区)を拡大し、20年度に生田キャンパス(川崎市)から商学部を移すほか、国際系の新学部も設ける計画だ。「国際競争力の強化」を意識しており、佐々木重人学長は「何とか計画を実現したい一心だ」と明かす。
日本女子大は西生田キャンパス(川崎市)の人間社会学部を21年度に、目白キャンパス(文京区)に移転する。