府の試算によると、年収980万円の世帯の場合、本来は補助の対象外だが、約15万円のふるさと納税をすると、見かけ上の年収が減り、約38万円のの補助が受けられるという。府幹部は「制度の本質がゆがめられ、問題だ」と話す。
府は、多くの世帯で所得把握のずれが生じているとみており、「現在の税制に対応できない」と分析。ふるさと納税などの影響を受けない方法を検討する方針だ。
文部科学省初等中等教育局の担当者も「課題として認識している」と話しており、今年度、有識者会議を設置し、判定基準を含めた制度全般の検証を始める。ただ、「事務的な負担など現実的に可能なのか考える必要がある」としている。
私立高校の授業料補助制度は、大阪府より対象者数や補助額などの規模は小さいものの、北海道、宮城県、京都府、福岡県などが導入している。東京都も今年度から支援制度を拡充した。大阪府や文科省と同様に所得割額をもとに年収を推定しており、文科省が見直せば、他の都道府県にも影響が及びそうだ。