政府が開いた経済財政諮問会議(議長・安倍首相)で、4人の民間議員が50年後も人口一億人規模の国家を維持するための政策を提言する。目標達成のため、女性の労働参加を促したり、3人目の子どもの給付を増やし、女性が出産しやすい環境を整備したりする少子化対策を政府に要望する。
日本の現在の出生率は1.41で、このままでは1億2700万人の人口が、2060年には約8700万人まで減ることになる。
人口減少社会下では、社会保障の家計への負担が増えるほか、小規模な地方自治体は、行政サービスが維持できなくなるほど、国力の低下を招きかねない。
こうした状況を踏まえ、民間議員は、女性が子育てと仕事を両立できる環境を作り、20〜30代に、出生率を(人口が維持できる)2.07に回復すべきだと提言する。その上で、政府に対し、「労働参加率と生産性を高め、50年後も1億人程度の人口規模を維持する」目標の設定を求める。
このほか、長時間労働の見直しなど、子育て中の女性が働きやすい仕組みを実現させる。子どもを産みやすくするために、3人目の子どもの給付を手厚くすることも提言する。
また、労働人口の減少を最小限に食い止める取り組みにも言及し、所得税の控除を受けるため、主婦が労働時間を調整する「103万円の壁」の見直しも求める。女性役員の雇用促進や、少子化対策に充てる財源を20年度までに確保することも掲げる。
2014.05.12更新
被災地ホテル開業相次ぐ
東日本大震災から3年を過ぎた被災地で、ホテルの開業が相次いでいる。災害公営住宅など住宅再建が本格化するのに合わせ、工事関係者や復興関係のビジネスマンなどの長期滞在需要を取り込む。低コストで建設でき、宿泊料金も安いホテルが目立つ。
宮城県や岩手県など津波の被害を受けた地域では、2013年以降に少なくとも10のホテルがオープンする計画がある。日本旅館協会の担当者は「(ホテルは)工事関係者を取り込んでいる宮城県気仙沼市を中心に急増している印象」と話す。
大阪の不動産業者エンシン(大阪市)は3月、気仙沼市に長期滞在型のホテルを開いた。48室の部屋はすべてシングルで一泊5700円。担当者は「住宅建設が本格化する。最低5年は宿泊需要が続く」とみる。
工事を担当した建設会社は建物の大半をタイ工場で製造し現地で組み立てる
モジュール工法を採用。工期は約2ヶ月と短く、コストも一般工法より1〜2割圧縮できる。人手不足や建設費高騰の影響を受けにくい。
気仙沼はホテル運営企業の関心が特に高い地域だ。仙台や盛岡から遠く、一定の宿泊需要が見込める。昨秋に大和ハウス工業が開業したホテルは建設会社が長期間借り上げ連日ほぼ満室だ。
ビジネスホテルも被災地に向かう。ルートインジャパン(東京・品川)は今年13ヵ所の新規出店を計画するが、うち岩手、宮城、福島の3県で8ヵ所を占める。藤田観光は昨年末、仙台市の中心部に「仙台ワシントンホテル」を開業。2月は稼働率が8割を超えた。
宮城県や岩手県など津波の被害を受けた地域では、2013年以降に少なくとも10のホテルがオープンする計画がある。日本旅館協会の担当者は「(ホテルは)工事関係者を取り込んでいる宮城県気仙沼市を中心に急増している印象」と話す。
大阪の不動産業者エンシン(大阪市)は3月、気仙沼市に長期滞在型のホテルを開いた。48室の部屋はすべてシングルで一泊5700円。担当者は「住宅建設が本格化する。最低5年は宿泊需要が続く」とみる。
工事を担当した建設会社は建物の大半をタイ工場で製造し現地で組み立てる
モジュール工法を採用。工期は約2ヶ月と短く、コストも一般工法より1〜2割圧縮できる。人手不足や建設費高騰の影響を受けにくい。
気仙沼はホテル運営企業の関心が特に高い地域だ。仙台や盛岡から遠く、一定の宿泊需要が見込める。昨秋に大和ハウス工業が開業したホテルは建設会社が長期間借り上げ連日ほぼ満室だ。
ビジネスホテルも被災地に向かう。ルートインジャパン(東京・品川)は今年13ヵ所の新規出店を計画するが、うち岩手、宮城、福島の3県で8ヵ所を占める。藤田観光は昨年末、仙台市の中心部に「仙台ワシントンホテル」を開業。2月は稼働率が8割を超えた。
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2014.05.08更新
震災3年首長アンケートその2
土地買収遅れ不安
沿岸地域の30市町村では津波被害を避けるため、高台などへの集団移転計画が進められているが、現在も「全く進んでいない」「やや遅れている」を合わせた解答が3割に上った。
「全く進んでいない」と答えた福島県大熊町、浪江町は、年間の放射線被爆量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」が多くを占め、国の直轄となる除染やがれき処理の遅れを理由に挙げた。さらに避難先の町外コミュニテー整備で、受け入れ自治体との調整が思うように進まないとした。
進まない要因は、造成工事や測量設計に加え、住民や関係者らの合意形成に時間を費やしているため。移転先の土地買収をめぐって、所有者が相続手続きをを終えていなかったり、抵当権が設定されていたりなど法的問題もあり、これらの対応に当たる職員が不足している現状があるとした。このほか、移転候補地で遺跡が出土し、発掘調査などで時間がかかっていることを遅れの理由に挙げた首長もいた。
沿岸地域の30市町村では津波被害を避けるため、高台などへの集団移転計画が進められているが、現在も「全く進んでいない」「やや遅れている」を合わせた解答が3割に上った。
「全く進んでいない」と答えた福島県大熊町、浪江町は、年間の放射線被爆量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」が多くを占め、国の直轄となる除染やがれき処理の遅れを理由に挙げた。さらに避難先の町外コミュニテー整備で、受け入れ自治体との調整が思うように進まないとした。
進まない要因は、造成工事や測量設計に加え、住民や関係者らの合意形成に時間を費やしているため。移転先の土地買収をめぐって、所有者が相続手続きをを終えていなかったり、抵当権が設定されていたりなど法的問題もあり、これらの対応に当たる職員が不足している現状があるとした。このほか、移転候補地で遺跡が出土し、発掘調査などで時間がかかっていることを遅れの理由に挙げた首長もいた。
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2014.05.07更新
震災3年首長アンケート
風化7割超「感じる」
産経新聞が実施した市町村長アンケートでは東日本大震災から3年が過ぎ被災地への関心が薄れる「風化」を感じている首長が7割を超えた一方で、6割は風評被害が収まりつつあると感じていることがわかった。また、津波に備える集団移転事業計画は、約3割が予定通り進んでおらず、除染の遅れなど多くの阻害要因が復興の足かせになっていることがうかがえる。
販売協力の声減る
風化を「大いに感じる」(21.1%)と「やや感じる」(55.4&)で7割を超え、「あまり感じない」(22.9%)「逆に関心は高まっている」(0.6%)を大きく上回った。
風化を実感する事例として、「被災地に関する記事が少なくなった」「被災していない自治体との会話」などを挙げ、「全国の商店街から特産品の販売協力をしたいとの声が減った」という首長もいた。さらに「復興庁など国の姿勢が変わった」「派遣職員の継続に難色を示す自治体が見受けられる」など復興工事にも影響しているとした。
風評被害については「収まってきた」(8.6%)「やや収まってきた」(51.9%)を合わせて6割に達し、「悪化している」は2.5%だった。
具体的には「農水産物の出荷」「牛肉の枝肉価格」「観光客や海水浴客」が回復し、放射線検査など科学的裏づけを示しながら風評払拭につながったとした。
だが、震災以前に戻ったとする回答は少なく、学校関係の団体旅行客や外国人観光客の来訪が回復していないとする声や「シイタケ農家の7割が廃業の危機だ」と訴える首長もいた。
産経新聞が実施した市町村長アンケートでは東日本大震災から3年が過ぎ被災地への関心が薄れる「風化」を感じている首長が7割を超えた一方で、6割は風評被害が収まりつつあると感じていることがわかった。また、津波に備える集団移転事業計画は、約3割が予定通り進んでおらず、除染の遅れなど多くの阻害要因が復興の足かせになっていることがうかがえる。
販売協力の声減る
風化を「大いに感じる」(21.1%)と「やや感じる」(55.4&)で7割を超え、「あまり感じない」(22.9%)「逆に関心は高まっている」(0.6%)を大きく上回った。
風化を実感する事例として、「被災地に関する記事が少なくなった」「被災していない自治体との会話」などを挙げ、「全国の商店街から特産品の販売協力をしたいとの声が減った」という首長もいた。さらに「復興庁など国の姿勢が変わった」「派遣職員の継続に難色を示す自治体が見受けられる」など復興工事にも影響しているとした。
風評被害については「収まってきた」(8.6%)「やや収まってきた」(51.9%)を合わせて6割に達し、「悪化している」は2.5%だった。
具体的には「農水産物の出荷」「牛肉の枝肉価格」「観光客や海水浴客」が回復し、放射線検査など科学的裏づけを示しながら風評払拭につながったとした。
だが、震災以前に戻ったとする回答は少なく、学校関係の団体旅行客や外国人観光客の来訪が回復していないとする声や「シイタケ農家の7割が廃業の危機だ」と訴える首長もいた。
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