所長ブログ

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2014.04.30更新

寄せられる通報「氷山の一角」

東京臨海部の住宅や工場が混在する一角。3月中旬、雨の中をコート姿の中年男性が、一軒の町工場を訪ねた。黒いビジネスバックを携えるが、商談ではない。「4月の消費増税で取引先から価格転嫁を拒否されるかもしれない」。不安を抱える経営者の「叫びを」聞き、違法要求を是正るのが2人の仕事。中小企業庁の転嫁対策調査官「転嫁Gメン」だ。民間企業のOBを中心に全国で約600人。「業界特有の巧妙な不正を見抜くことを期待」(同庁)されている。
 この日訪れた町工場は、医療機器向けプラスチック部品の成形加工を手がけ、従業員は3人。3%の増税分を価格に上乗せしたいが、ここ10年、原油価格の上昇などで材料費が上がる中でも、納入先の要求は常に「値下げ」だった。2人の転嫁Gメンを前に、60代後半の社長は「逆に値下げを求められたら、やっていけません」。これまで給与カットでコストを吸収してきたのは、負担をかぶってでも仕事を続けなければ、他社に仕事を奪われてしまうからだ。増税分を上乗せすれば、本体価格の値下げ要求が来るのは目に見えている。昨年からの円安に伴う輸入材料費の高騰で「コスト削減は限界」と話す。
 「不当な要求があればすぐに連絡を」。2人の転嫁Gメンはそう告げて、町工場を後にした。だが、経営者の多くは「通報がばれて取引停止になったらどうする」と連絡に二の足を踏むという。2月末までに1777件を調査し、853件について取引の是正を指導したが、寄せられる通報は「氷山の一角」だ。出版社が印刷業者に対し、増税前の取引価格を維持するよう要求したり、大規模小売業者が運送業者に代金の据え置きを要求したりするなど悪質なケースもあり、今後さらに増える可能性がある。
 転嫁Gメンの一人、山本裕主任(61)は「今、円滑な転嫁ができなければ、10%への引き上げ時に課題を残す」と話す。中小企業に増税負担が偏れば、バランスの取れた経済全体の底上げを妨げかねない。大手企業を中心に相次いだ賃上げの流れが中小企業に広がらず、景気回復が腰折れする懸念もでてくる。政府にとっても「失敗」は許されない。
 ただ、中小企業からは「是正勧告を受けた取引先の経営が悪化し、取引が減れば、元も子もない」との声も寄せられる。先々の経営を考えれば身動きが取れない_。不安を抱えたまま増税を迎えた中小零細企業も少なくない。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.28更新

公示地価、大都市上昇
「東京五輪」も後押し

先月発表された2014年の地価公示は、東京など3大都市圏平均が住宅地、商業地ともに6年ぶりに上昇に転じ、地方の主要都市には反転の兆が広がった。景気回復や日本銀行の大規模な金融緩和でお金が不動産投資に向かったことや、20年の東京五輪・パラリンピック開催決定が地価上昇を後押ししている。

アベノミクス効果

「トヨタ」「ハルカス」〜
東京五輪・パラリンピックの選手村が建設される予定の東京・中央区晴海地区。三菱地所レジデンスなどが開発した「ザ・パークハウス晴海タワーズ」の一棟目は想定を上回るハイペースで完売した。そのあと一部販売する二棟目も、事前の問い合わせが相次いだ。 
 「マイホームはまだ先でいいと思っていたが、人気のあるここなら賃貸収入も見込める」
 家族と訪れた男性会社員(38)はこう話しながらマンションを見上げた。五輪開催までに新たな公共交通機関が整備されるとの期待もあり、勝どき付近の公示地価は前年より、10.9%上昇と、全国の住宅地で9番目、東京圏で最も高い伸び率だった。
 堅調なオフィス需要も東京中心の地価上昇を支えている。大規模ビルの建設が相次いでいるが、景気回復で企業がオフィスを求める動きは活発だ。オフィス仲介の三鬼商事によると、都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は8ヵ月連続で改善している。2月の平均空室率は7.01%で、09年5月以来の水準となった。賃料も上昇傾向にあるという。
 住宅地が2年連続で上昇した名古屋では、円安を背景に好業績が続くトヨタ自動車が地価を牽引するほか、大阪圏では、先月全面開業した日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)や、13年4月に開業したJR大阪駅前の複合施設「グランフロント大阪」(同北区)の集客力が集客力が周辺の地価を押し上げた。

流れる資金
 背景には安倍首相の経済政策「アベノミクス」や黒田東彦日本銀行総裁の「量的・質的金融緩和」などの効果で、融資先を探す金融機関などから不動産に資金が流れていることがある。
 日銀は13年4月に導入した「量的・質的金融緩和」で、不動産投資信託を「年間300億円に相当するペースで増加するよう買い入れる」方針を決めた。13年3月末に約1100億円だった保有残高は3月10日現在、約1454億円に増加した。

消費税率も影響?

 消費税率引き上げを前にしたマンションや戸建て住宅の駆け込み需要も地価を押し上げた。13年の新設住宅着工戸数は約98万戸と、08年(約109万戸)以来の高い水準だった。
 4月の消費増税後はマンション販売の減速を予想する動きもある。だが地価の今後の見通しについて三井不動産は「全国的な地価は上昇局面にあり、今後もこの傾向は続く」と期待する。



投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.24更新

地方の主要都市も上昇
被災地でも上昇

 地方の主要都市でも地価があがりつつある。15年春に北陸新幹線開業を控えた金沢市のJR金沢市付近は11.4%増、周辺再開発が進む広島市東区のJR広島駅付近も9.2%増と、高い上昇率を記録した。
 取引も活発化しており、2月に行われた福岡市中央区の九州大跡地の一部(約2.1ヘクタール)の入札は、マンション開発のためJR九州が117億円で落札した。地元不動産業者は「予想より3割以上高い」と驚く。
 東日本大震災の被災地でも地価の上昇地点は増えており、福島県の住宅地は19年ぶりに上昇に転じた。被災者が多く移転しているいわき市では、10%以上地価が上昇する住宅地が複数ある。宮城県では住宅地、商業地とも上昇した。
 だが、地方全体に上昇基調が広がっているわけではない。地方圏の住宅地、商業ちはともに93年から下落がとまらず、下落地点は全体の約4分の3を占める。人口減少や高齢化で土地の買い手が少なくなっており、このままでは土地の価値は低下し続け、自治体も固定資産税の税収減につながることから、都市部と地方との格差は広がりかねない。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.23更新

公示地価 3大都市6年ぶり上昇
全国では下落率縮小

 国土交通省はこのほど、2014年の公示価格(1月1日時点)を発表した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏の平均は、住宅地、商業地ともに、リーマン・ショック前の2008年1月以来、6年ぶりに値上がりに転じた。全国平均でも住宅地、商業地ともに下落率は4年連続で縮小した。
 安倍首相の経済政策「アベノミクス」による景気回復や日本銀行の金融緩和政策の影響などで、大都市を中心に不動産取引が活発となり、地価の下げ止まりが鮮明になっている。
 全国平均では、住宅地が前年より0.6%減、商業地が0.5%減、工業地などを含む全用途が0.6%減と、いずれも6年連続で前年を下回った。
 3大都市圏の平均は、住宅地が13年の0.6%下落から、0.5%上昇に転じた。商業地も0.5%下落から1.6%上昇となった。
 大都市圏の地価上昇の背景には、4月の消費税率引き上げを前にマンションなどの住宅需要が旺盛になったことや、景気回復を追い風とした中心地の再開発の進展がある。
 前年と比較可能な全国2万3017地点のうち、地価が上昇したのは7102地点と、全体の約3割を占め、13年の2008地点から約3.5倍に増えた。
 全国の住宅地の上昇率上位10地点のうち8地点が、東日本大震災で被災した宮城、福島両県だった。上昇率トップは、3年連続で宮城県石巻市須江字しらさぎ台付近で、13年から15.1%上昇し、震災前の11年くらべると約2.3倍になった。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.22更新

兜町も計画続々

 日本橋周辺では、証券の街・兜町でも再開発計画が持ち上がっている。
 バブル崩壊後の不況や08年のリーマン・ショックもあって事務所を閉じる証券会社が相次いだ兜町。東京証券取引所ビルなどを持つ平和不動産は、同ビルの周辺で、証券会社などが持っていたビル10棟超を段階的に購入。東京五輪に向けて新たに高層ビルを建てたい考えだ。最新の賃貸オフィスや会議室をつくって、一度は去った証券会社を呼び戻し、金融センターの活気を取り戻すことが目標だ。
 歴史あるビルの建て替えも進みそうだ。日本橋川に沿って立つ野村證券の「日本橋本社ビル」。1930年に建てられ、細長い外観から「軍艦ビル」とも呼ばれる。隣接地と再開発する計画が持ち上がり、一部を残して建て替え、商業ビルにする案もある。
 日本橋の一本東側の江戸橋のたもとにある三菱倉庫江戸橋倉庫ビル。こちらも30年にできたが、伝統的な外観を残したまま高層オフィスビル(地上18階、地下1階)に変える工事中だ。川沿いには親水空間もつくられ、8月には完成予定だ。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.21更新

「江戸」と融合、再開発  大型商業2棟開業

かつて「お江戸・東京」の商業と文化の中心地だった「日本橋」。そのにぎわいを復活させるプロジェクトが加速している。先月二つの大型商業ビルがそろってオープン。ほかの再開発計画も目白押しだ。
 この街のシンボルといえば、石造りの重厚なアーチが魅力の日本橋だ。日本の道路の拠点として知られ、20代目のいまの橋は1911年に完成した。
 そこから北に約200メートル。真新しい二つのビル「COREDO(コレド)室町2」(地上22階、地下4階)と、「コレド室町3」(地上17階、地下4階)がそそり立つ。
 2010年に開業した「コレド室町」(地上22階)と合わせ、小売店や飲食店は97店。賃貸オフィスのはか、日本橋地区では初の複合映画館(約1800席)もできた。三井不動産などが進める「日本橋再生計画」の拠点だ。
 30〜40代が主な客層で、年間の入場者はのべ1700万人、売上高110億円と見込む。近くの老舗・山本海苔店の中島美冬・企画部長は「年配向きの街というイメージが変わるきっかけになる」と期待する。
 先月20日の開業に先立ち、19日は午前11時から、事前に登録した会員向けにプレオープン。約2万人が訪れる予定だ。初日の人出は約5万人と見込む。また、日本橋三越本店や三井本館などと連携し、20日から4月6日の午後6時半から11時まで、建物を桜色にライトアップした。客を出迎える「大のれん」もお目見えし、周辺商店との買い物巡りや食べ歩きも企画されている。
 かつてのにぎわいを取り戻す_。日本橋の再開発は、東急百貨店日本橋店(99年閉店)の跡地に、「コレド日本橋」が開業した04年がスタートだ。コレドは英語のコア(CORE,核)と江戸(EDO)をつなげた造語。江戸・日本橋をよみがえらせる核に、と言う思いを込めた。一足先に再開発が進む丸の内や大手町に負けじと、街づくりが進む。
 街を歩いて感じるのは、新しさだけではない。歴史や伝統との融合だ。1699年創業のかつお節専門店「にんべん」は、一汁三菜の和食を出す「日本橋だし場 はなれ」を「コレド室町2」に出店する。「室町3」には京和菓子の鶴屋吉信の直営店や、福岡の調味料ブランド茅乃舎など各地の有名店も入る。茶道や着物など伝統文化を体験できるスペースも用意した。
 日本橋川沿いでは、飲食店が堤防そばに屋外席を設ける。名付けて「かわてらす」。京都の夏の風物詩として知られる「川床」を参考にした。第一号として和食店「豊年萬幅」が屋外席をオープンした。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.17更新

法人向け 脱デフレ、物流も
ヤマト運輸は法人顧客に対して一斉に運賃の値上げを要請する。インターネット通販など大口顧客には契約見直しを打診しはじめた。荷主の企業がコストを吸収できなければ、消費者が負担する送料が上がる。宅配市場の拡大にもかかわらず、競争が激しい法人向けの単価は下落が続いていた。業界最大手のヤマトが人件費や燃料費の高騰分を料金に反映することは日本経済の「脱デフレ」の流れを象徴する。

ヤマト運輸が全国の顧客に対して一斉に契約見直しを申し出るのははじめて。中小企業も含めてヤマトの取引先は100万社程度とみられ、すべてが見直しの対象になる。
 これまでは荷主企業ごとに取引量に応じた割引などが多く行われていた。今後は荷物のサイズに応じた料金表を正確に反映した運賃を回収することで、実質的に値上げする。料金表そのものは変更しない。ヤマト側は「運賃の適正な収受」と説明している。
 例えば東京_大阪間は料金表上は、段ボールの3辺の合計が60センチまでが840円。80センチまでが1050円。210円の差があるが、小さいサイズの運賃を基準にした取引が実態となっていた。
 ヤマトを利用するネット通販最大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)は受け入れ姿勢を示したとみられる。ギフト配送で利用する三越伊勢丹、高島屋など百貨店にも運賃を見直す意向を伝えた。値上げ幅は顧客ごとの取扱個数や契約によって異なる。少なくとも数%になる見込みで、1割を超えるような顧客には段階的値上げなど緩和策も提案する。
 ヤマト運輸は2013年に低温輸送サービス「クール宅急便」で温度管理に不備が発生した。今回の値上げには、取り扱いが急増してもサービスの質を保てるように、施設や人員を拡充する狙いもある。
 宅配市場は12年度の約35億個。ネット消費の拡大などで大幅に伸びているが、顧客獲得に向けた激しい値下げ競争が続いてきた。ヤマト運輸は宅急便の平均単価が02年度に710円だったが、13年度見通しは577円で約2割下落している。
 業界では日本郵便が11年、佐川急便が12年にそれぞれ大口顧客への値上げに動いた。佐川急便は13年度上半期の平均単価が480円と、1年で約20円上昇した。
 宅配便は大手3社のシェアが9割を超える寡占市場。ヤマトの要請で荷主企業の戦略に影響がでそうだ。ネット通販企業の間で「送料無料」サービスなどを見直す動きがでる可能性もある。トラック、鉄道、航空など国内の物量事業の市場規模は20兆円程度といわれ、うちトラック運送が約半分を占める。トラック運送は宅配便以外の企業間物流でも業者間の価格競争が続いてきたが、最近の燃料費高騰や需要の拡大で運賃引き上げ動きが出始めている。

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.16更新

昨年、都内で36人搬送

東京都内で昨年、徒歩や自転車の運転中にスマートフォンや携帯電話を操作して事故に遭ったり、「歩きスマホ」の歩行者らに衝突されたりして救急搬送されたのは36人にのぼり、うち一人が死亡したことが、東京消防庁の調査でわかった。2010年(23人)の約1.5倍となり、同庁は「スマホの普及画像化の原因」とみている。ただ、搬送時に詳しい状況が分からないケースも多く、同庁では調査結果につい「氷山の一角」とみている。

駅で道で、衝突・転倒

同庁は、救急搬送時の記録から、スマホと携帯電話の使用中の事故を過去4年に遡って初めて調べた。その結果、10年に23人だった負傷者は11年に29人、12年には34人に増加。昨年は36人が搬送されたが、このうち板橋区で昨年10月、歩きながら携帯電話を見ていた弾性(当時47歳)が謝って踏切内に入り、電車にはねられて死亡した。
 昨年の事故のうち、スマホなどの操作中や画面を見ている最中だったのは6割強の24人で、「通話中」(5人)、「電話を取ろうとして」(3人)と続いた。搬送された36人のうち、7人は自転車走行中の事故だった。
 また、JR四ツ谷駅(新宿区)で昨年5月、携帯電話に気を取られてた小学5年の男児が足を滑らせてホームから転落し、あごの骨を折る事故も起きた。国土交通省の調査では、スマホなどが原因で駅ホームから転落した事故の負傷者は、13年までの1年間に19人を超え、鉄道各社も注意を呼びかけている。
 無関係の通行人らが巻き込まれる事故も相次いでおり、葛飾区で昨年5月、女性(82)が携帯電話を見ながら歩いていた人に衝突され、足を骨折。江戸川区でも11年4月、男性(69)が、携帯電話を操作していた人の自転車にはねられ、頭にけがをした。
 東京消防庁の担当者は「情報量の多いスマホは面倒に視線がくぎ付けになりやすく、視野が狭くなって事故が起きる危険性が高い」と話している。
 一方、警視庁によると、スマホや携帯電話の使用中の交通事故も増加傾向にあり、昨年は全国で死亡事故34件を含む1750件が発生している。

事故を受け、携帯電話各社も対策にのりだしている。NTTドコモは昨年12月から、「歩きスマホ」を振動などから感知、危険を知らせる警告が表示されるアプリの無料提供を開始。KDDI(AU)は小中学生を対象にした「ケータイ教室」で歩きスマホの危険性を説明しているという。


投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.15更新

北区王子の税理士松村憲です。
それでは減額をやむなくする場合を考えていきましょう。

業績悪化を理由に役員報酬を減額する場合
 業績や資金繰りが悪化したことで、事業年度の途中に、役員報酬(定期同額給与)の減額を検討することもあると思います。このような場合、減額の理由として、やむを得ず役員報酬を減額せざるをえない事情があれば、減額後も全額が損金として認められます。

〜やむを得ず減額せざるを得ない事情とは?
  1 財務諸表の数値が相当程度悪化した
  2 倒産の危機に瀕している
  3 経営悪化により、第三者である利害関係者(株主、債権者、取引先等)との関係上、役員給与を減額しなけ
    ればならなくなった
   *一時的な資金繰りの場合、あるいは単に予算を達成できなかったという理由は、やむを得ない事情には
     含まれません。

 例えば、次のようなケースが考えられます。
〜例1 銀行との間で借入金の返済期限延長や条件緩和(リスケジュール)をするため、役員報酬を減額しなけれ
     ばならなくなった。
     銀行との交渉時に作成した返済計画、資金繰り表などで減額の理由を明らかにしておきます。

〜例2 業績や財務状況、資金繰りが悪化したため、取引先からの信用を維持・確保するために、役員報酬の減
     額を盛り込んだ経営改善計画書を策定した。
     減額する金額や期間、減額による効果など、取引先等が納得する経営改善計画であることが必要です。

次年度経営計画の中でよく検討する
 以上のように、役員報酬(定期同額給与)は、事業年度の途中で改定すると、原則として認められていませんので、次年度の経営計画の策定過程において、会計事務所ともよく相談して、役員報酬の設定についても慎重に検討しましょう。
 

投稿者: 松村税務会計事務所

2014.04.14更新

こんにちは、北区王子の税理士松村憲です。
 会社の業績が変化すると、期中であっても、毎月支払う役員報酬の改定(増額・減額)を検討する可能性がありますが、改定の理由によっては、税務上、その一部が損金として認められない場合があるので注意しましょう。

損金算入ができる定期同額給与とは?

 法人税法では、役員報酬や役員賞与を「役員給与」といいますが、毎月、一定額を支給する役員報酬については、次の用件を満たせば、定期同額給与として損金算入が認められています。(税務署長への届出は不要です)。
〜定期同額給与の用件
 ・支給時期が1ヵ月以下の一定の期間ごとであること(実務上は月払いが一般的)
 ・その各支給時期のおける支給額が事業年度を通じて原則同額であること
 *損金算入が認められる役員給与には、他にも、事前に税務署に届け出ることで、月々の報酬とは別に所定の   時期に確定額を支給する事前確定届出給与などもあります。

定時株主総会での役員報酬の改定
 上記のように定期同額給与の要件は、月々の支給額が事業年度を通じて原則同額であることであり、事業年度の途中に増額や減額をすると、原則としてその一部が損金として認められません。
 ただし、決算終了後の株主総会など、毎年所定の時期に行われる改定(通常改定)で、次の要件を満たす場合
 は、定期同額給与とみなされ、全額を損金にするこができます。
〜通常規定で定期同額給与とみなされる要件
  1 期首から3ヵ月以内(3月決算法人なら6月末まで)に行う改定であること
  2 事業年度内のおいて、改定前の毎月の支給額が同額であること
  3 事業年度内において、改定後の毎月の支給額が同額であること
  *株主総会での決議内容を記した議事録をきちんと保管しておきましょう。
例えば、役員報酬の支給日を毎月末とする3月決算法人が、5月25日開催の定時株主総会において、報酬額を60万円から70万円に増額する決議を行い、総会直後の5月31日または翌月の6月30日から支給する場合は、増額後の70万円全額が損金として認められます。

投稿者: 松村税務会計事務所

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