荷物預かりシェア エクボ
荷物を預けたいけど空いているコインロッカーが見つからない。シェアリングエコノミー(共有経済)を利用してそんな悩みの解決に挑むのがエクボ(東京・渋谷、工藤慎一社長)だ。スマートフォン(スマホ)を通じ空きスペースを持つ店舗と荷物を預けたい利用者を仲介する。訪日外国人の集客効果も見込め、大都市圏から地方へとサービスを広げている。
ロッカー不足
約1年前、工藤氏が渋谷を歩いているとスーツケースを抱えた外国人に声をかけられた。コインロッカーを一緒に探したが見つからなかった。
コインロッカーを新設できる場所は実はあまりない。米ライドシェア(相乗り)大手ウーバーテクノロジーズの日本法人で働いた経験を持つ工藤氏はウーバーのような仕組みで荷物の保管の仕組みを変えられないかと考えた。そして昨年1月に始めたのが、荷物一時預かりシェアサービス「エクボクローク」だ。
利用者は専用ウェブサイトで氏名やメールアドレス、クレジットカードなどの個人情報を登録。スマホなどの地図上に表示される場所を選んで荷物を預ける日時と引き出す日時、荷物の数を入力する。当日は現地で荷物を預けるだけ。荷物を受け取るときにオンラインで料金が決済される。
料金は最大辺が45センチメートル未満の小さな荷物は1日300円。45センチ以上のスーツケースなどの大きな荷物は同600円。スペースを提供する店舗は料金の50%を受け取れる。残りの50%はエクボや営業に協力するパートナー企業の収益源となる。
渋谷のカフェ併設型書店「ブックラボトーキョー」では多い時で週2~3回、エクボクロークの利用がある。その多くは外国人だ。「対面で荷物を受け渡しするので安心感がある。ついでにカフェを利用する客も多く、店にとっては利益しかない」と同店の石田安奈さんは話す。