USENはオフィス向け音楽配信サービスを利用することで働き方改革につながる点をアピールし、昨年3月時点で4万4000社だった導入企業数を、20年までに6万社に増やす計画だ。
一方、ビクターエンタは7月、日比谷花壇と業務提携した。日比谷花壇はオフィスの緑化事業に力を入れている。一緒にビクターエンタのスピーカーと「川のせせらぎ」「そよ風」といった高音質の自然音源を売り込んでもらう。
両社は緑や自然音のあふれる空間が従業員の気分転換につながるとしており、働き方改革の広がりとろもに、会社の休憩室に導入する事例がふえているという。ビクターエンタは大和リース(大阪市)とも緑化オフィスと自然音を組み合わせたサービスを提供している。18年3月までに、導入企業数を現在の2倍にあたる計100社に増やす計画だ。
ただ現段階では残業時間の削減や労働生産性の向上に、BGMがどの程度貢献しているのかは明確な測定ができているわけではない。自然音に近い音を出す専用スピーカーを使うビクターエンタは初期費用だけで最低200万円、USENも5万4千円かかる。
両社は働き方改革につながるとアピールするが、月額利用料も含め、投資に見合う効果が得られるかはわからない。
USENは昨年9月下旬から東海大医学部と共同で、会社で音楽を流すと残業時間をどれだけ削減できるかについて研究を始める。ビクターエンタも大学と共同で、音によるリラックス効果について研究している。働き方改革の追い風を生かすには、利用企業が納得できるBGMや環境音楽の効果を示すことが重要になる。