昔はやった「人類みな兄弟」という言い方をまねるのなら、最近は「人類みな友達」といった状況でしょうか。SNSのフェイスブックなどでは、リクエストでどんどん友達を増やしていくことができます。かつて「知り合い」と呼んでいた存在が、いまでは立派な「友達」に格上げされているのでしょうか。
「知り合い」が大勢
「スモール・ワールド現象」って知っていますか?
Aさんに40人の友達がいて、その一人のBさんにも重複しない40人の友達がいて、またその一人のCさんにも・・・・とやっていくと、6階建目、つまりFさんの段階で世界中の人(この場合は約41億人)につながることができるという考え方だ。
まさに「人類みな友達」。SNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)を支える理論にもなっていると言われる。
これなあくまで理論上の話だが、フェイスブックの「友達」の増え方、ツイッターでの伝播の速さを見ると、最近は友達を介して世界のどこまでもつながれるのではないかと思ってしまう。そんなふうにできた「友達の友達」は本来の「友達」とは違うのか同じなのか。そんな疑問から今回のテーマが生まれた。
ネット空間やSNSでの出会いの可能性を、肯定的に考える人はけっこう多い。
「ネットを利用するようになってから、初めて友達と呼べる人物に出会った。学校や職場、近所などの狭い世界では友達と出会えない者も」(東京62歳、性別その他)
「自分のブログを見てメールをくれた人がいます。自分自身が病気で、その人もひどい病気で交流が始まりました。会ったことはなく、手紙、電話を1回だけですが、あとはメールをお互いに、調子が良い時にしています。支え合って本当に今ではかけがいえのない人になっています」(神奈川、47歳女性)