製造業で日本と連携狙う
モンゴルのバトトルガ大統領が日本との協力関係を担当する大統領特使に大相撲の元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏を任命した。
ダグワドルジ氏はその高い知名度を生かし、「フェイスブック」でバトトルガ大統領の選挙活動を連日実況。若者の支持を固めて、勝利への流れを作った。バトトルガ大統領はその功績を評価するとともに、日本との結びつきの深さに期待する。
「日本とモノづくりで協力し、メイド・イン・モンゴリアの製品をどんどん作っていきたい」。ダグワドルジ氏はバトトルガ大統領誕生時のインタビューで力をこめた。「鉄鉱石や石炭など資源は豊富だが、隣国への資源供給国という状況にとどまっている」とモンゴル経済の問題点を指摘し製造業の活性化を優先課題にあげた。
バトトルガ大統領はソ蓮発祥の格闘技サンボの王者で、柔道連盟会長を務める。ダグワドルジ氏との関係もスポーツが縁だが、両者ともスポーツ分野で活躍しただけでなく、企業経営者としての顔を持つ。また、ダグワドルジ氏の兄も与党・人民党の国会議員を務める。
中国とロシアに挟まれたモンゴルをどうかじ取りするのか。バトトルガしは中国依存からの脱却を選挙戦で訴えて勝利したが、その実現は簡単でない。モンゴルが「第三の隣国」と位置付ける日本との関係を発展させることが不可欠なだけに、ダグワドルジ氏の政治的な手腕が問われることになる。