「安易な預入れ」指摘も
慈恵病院は「ゆりかご」を「命を救う最後の手段」と位置づけ「まずは相談を」と呼びかけてきた。ただ、開設当初から「安易な遺棄が増える」「子が親を知る権利を奪う」などの批判があった。
運用を検証する熊本市の専門部会によると、預けられた125人のうち、判明した理由は「生活困窮」「未婚」が上位を占めた。障害のある子が少なくとも11人いた。部会は、命を救うために切羽詰まった状況があった一方、自分の幸せを優先した「安易な預け入れ」もあったと指摘。生後間もなく飛行機や新幹線で熊本に来て、「母や子の生命にかかわる事故がいつ起きても不思議でない事例が多くあった」としている。