いまや時代劇はニッチ
コラムニストで時代劇研究科のペリー荻野さんは、時代劇の将来を、それほど悲観していない。
「国民的時代劇は、もはや幻ですが、新進の監督や脚本家が、漫画原作物のような、変化球を投げつけている。つくり手の世代交代は途切れていない」
だれも見たことのない世界を再現する時代劇は、極論すれば、何でもありのファンタジーだという。
「若い監督がどれだけ奇抜につくろうがOK。その感性に、古参のスタッフが、そう来るかと仰天しながら映像を撮っている」
予算が乏しく、情熱とアイデア勝負の制作現場は、映画より格下にみられていた黎明期のテレビ時代劇のそれを思い起こさせる。
「時代劇は今や、ニッチ(すき間)なもの。膨大な映像コンテンツの中に埋もれてしまいがちですが、かならず逸品が隠されている。役者も、だれがチョンマゲを頭に載せるかわからない時代だから、配役の妙も楽しめますよ」