純増数半減
採算重視へシフト
急成長を続けてきたコンビニエンスストアの拡大ペースが鈍化する。大手3社が2017年度(18年2月期)に計画する店舗の純増数は前年度から半減する見通しだ。セブンーイレブン・ジャパンの純増数は2割減り、店舗の統廃合を急ぐファミリーマートは純減となる。既存店売上高の伸び鈍化や人手不足など店舗の運営環境がきびしくなるなか、出店数を絞り店ごとの採算を重視する動きが鮮明になってきた。
国内のコンビニ店舗数は3月末時点で5万6160店。セブン、ファミマ、ローソンの大手3社だけで全体の9割を占める。3社は同業のM&Aなどコンビニの再編や新規出店により規模を急激に広げてきたが、17年度の純増数は合計で約700店と、この10年で最低の水準となる見通し。直近のピークだった13年度の約3千店から急減速する。
店舗数の拡大に伴い、自社のチェーンの間でも一部で顧客獲得競争が激化。スーパーやドラッグストアーなど異業種との競争も激しく、全国のコンビニ既存店の来店客数は今年3月まで13ヵ月連続で前年を下回った。全国平均の既存店売上高は16年に15年比0.5%増えたが15年の伸び率0.9%に比べ鈍化した。1店舗ごとの売り上げを伸ばすのは難しくなっており、店舗のてこ入れが共通の課題になっている。