20年に30%政府目標遠く
女性活躍推進法が施行された2016年4月以降、国内の主要企業の8割が女性管理職(課長相当職以上)比率を引き上げたことが、読売新聞社のアンケートでわかった。両立支援や女性向けの研修など、各社の取り組みが成果につながった。ただ、回答企業の17年4月の比率は平均8.3%で、「20年までに管理職比率を30%程度に」とする政府目標との作は大きい。
8割が比率引き上げ
アンケートは4月に実施。自動車、電機、食品、商社など各業界の大手121社に質問を送り、116社が回答した(回答率96%)。
同法施行前の15年と、16、17年のそれぞれ4月時点で管理職の女性比率を尋ねたところ、平均で6.9%、7.5%、8.3%と増加した(一部企業は各年3月末など直近の数字で回答)。
法施工後の1年間で比率を高めた企業は96社(82.8%)に上った。女性活躍推進のための取り組み(複数回答)では、「家庭との両立制度の整備・拡充」(86.2%)、「女性対象の教育訓練、研修」(64.7%)が上位を占めた。
役員の女性比率も4.3%から5.0%、5.5%と上昇した。一方、正社員の女性比率は15~17年の3年間、24%台で推移し、増えていない。
法で策定が定められている行動計画の中で、96社が女性管理職についての数値目標を設定していた。ただ、「20年までに30%」という政府目標と同等かそれ以上の数値を挙げたのは、達成済みの1社を含めて13社だった。13社の中には、流通や金融など正社員の女性比率が高い業種が目立った。
政府目標は、国連で示された国際的な目標値や諸外国の状況を踏まえ、03年に設定されたが、社会的関心は高まらなった。12年に発足した第二次安倍内閣が女性活躍を重要政策と位置づけ、注目されるようになった。