何かと、親が与えてくれた教育について考えてみました。子は親を選べません。どんな教育を受けるか、保護者の影響って大きいんです。アンケートでは「親の教育に感謝する」と答えた人が圧倒的多数。みなさん、そんなに親子円満なのか。いや、回答を読むと、そう単純な話でもないようです。
アンケートでは「親の教育に感謝する」と答えた人が約9割。だが「感謝する」理由に「反面教師」をあげた人も210人いた。「感謝する」という言葉には様々な思いが込められているようだ。
感謝の理由の1位は「十分な学校教育を受けさせてくれた」。苦しい家計の中、教育費を捻出してくれたことに対しては「ただ感謝のみ」といった声が多かった。
福島の男性(60)はこういう。「奨学金申請時に初めて知った親の収入にショックを受けた。なのに何も言わず、親元を離れた学生生活と高等教育を与えてくれた。現在の生活は親の苦労のたまもの」
国の統計によると、2016年度の4年生大学への進学率は52.0%。しかし40年前は26.4%、50年前は12.9%にすぎなかった。静岡の男性(75)は親の苦労を改めて思った。「中卒者の半数が就職する時代、3人の子をせめて高校を卒業させたいと、親戚から借金をして学費を払っていたと後で知った」
親の苦労と言えば、「シングルマザー」だった母親への感謝の声もおおかった。神奈川の男性(86)は父の死後、独力で自分と妹を育てた母を回想する。「駄菓子屋をして、大学まで出してくれた。恩返しもできないまま亡くなった。もう一度母に会い、感謝の気持ちを伝えたい」