低カロリーでも味は濃厚
日清食品は主力の「カップヌードル」シリーズで、最もカロリーが低い「カップヌードル ナイス」をさきごろ発売した。新製法の麺を開発したことで「こってり濃厚」ながら、カロリーを通常の約半分の178キロカロリーに抑えた。少子化でカップ麺の最大の顧客である若者が減るなか、「低カロリー×濃厚」という新たな価値を中高年の男性にアピールする。
「麺がちょっと違っていて、僕はこっちの方が食べやすいんですよ」。3月下旬に開かれた新製品発表会。ナイスのCMに出演する漫画家の蛭子能収さんは麺の新しさを強調した。開発に携わったマーケティング部の藤野誠ブランドマネージャーも「通常のカップヌードルに比べて一番大きな違いは麺」と話す。
まず、油で揚げていないためにカロリーが抑えられるノンフライめんを採用。さらに低カロリーの実現に向けて、食物繊維を麺に多く練り込むことにした。ただ、食物繊維はスープに溶けやすく、使用料を増やすと麺の食感や味わいを残すのが難しいという壁があった。
そこで、これまでのカップヌードルで最も低カロリーだった「ライトプラス(198キロカロリー)」で確立した「3層めん製法」を基に新製法を編み出した。小麦粉でできた層で食物繊維をサンドイッチのように挟み込み、その両サイドも小麦粉層で埋めるのだ。