ミラーレスが下支え
調査会社のGFKジャパンはさきごろ、2016年の世界のデジタルカメラの販売が前年比25%減の3500万台だったと発表した。熊本地震の影響でセンサー工場の生産が約半年間止まり、デジタルカメラも供給不足となり市場の縮小が加速した。ただ販売台数の減少に比べ金額は前年比13%減にとどまった。市場を下支えしたのはミラーレスカメラだ。
オリンパスの笹宏行社長は「ミラーレスの機能が高まり、安いものから小型でデザイン・機能が充実したものになった」と指摘する。「ミラーレス化が市場に好影響を与える」と17年に期待を寄せる。
富士フィルムの飯田年久事業部長は「欧米でも一眼レフに比べて値崩れしなくなった」と市場反応の変化を指摘した。
カメラ映像機器工業会の調査によると、16年のコンパクトデジタルカメラの出荷台数は大幅に減っており、レンズ交換式とほぼ同数の1258万台まで落ち込んだ。そんな中ミラーレスカメラの出荷台数は前年比5.6%減になったが、、出荷額は0.1%増となった。まだ市場縮小を食い止めるには力不足だが、ミラーレスの伸長は需要回復に向けた材料となる。