2016年販売額
雑誌が書籍下回る
出版科学研究所はさきごろ、2016年の紙の雑誌の販売金額が約7200億円の見込みとなり、41年ぶりに書籍を下回る見通しになったと発表した。書籍は約7300億円、出版物全体では、約1兆4500億円の見込み。
同研究所によると、16年1~11月期の雑誌の推定販売金額は、前年同期比6.4%減の6633億円。月刊誌は同6.0%減。週刊誌は同8.0%減。最盛期に600万部をこえていた「週刊少年ジャンプ」(集英社)が秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」など人気作品の連載完結もあって210万部台に、「週刊少年マガジン」(講談社)も100万部の大台を割るなど、コミック誌の低迷が目立つ。
男性ファッション誌「GAINER」(光文社)などの休刊や、「クーリエ・ジャポン」(講談社)など紙の雑誌から電子版への移行も相次いだ。一方、NTTドコモの電子雑誌定額読み放題サービス「Dマガジン」の契約数が300万を超す伸びを見せている。出版ニュース社の清田義昭代表は「ネットやスマートフォンの影響が大きいが、雑誌は、出版社に安定した購読・広告収入をもたらし、流通ルートの運営にも大きな役割を果たす。出版界には大きな事態だ」と語る。