昨年3~11月、400億円
「君の名は」「シン・ゴジラ」ヒット通期上振れの公算
東宝の2016年3月~11月期の連結営業利益は、前年同月比24%増の400億円前後になったようだ。映画「君の名は。」や「シン・ゴジラ」のヒットが業績を押し上げ、昨年3~11月期として3年連続で最高益を記録した。
「君の名は。」は中国など海外でも人気で、17年2月期通期の営業利益は会社予想(前年比15%増の470億円)を上回る公算が大きい。
3~11月期の売上高は3%増の1800億円前後のもよう。
「君の名は。」は都会に暮らす男子高校生と田舎の女子高校生の意識が入れ替わる物語で、交流サイトの口コミで人気が広がった。昨年12月25日時点での興行収入は213億円で、邦画では「千と千尋の神隠し」に次ぐ歴代2位になった。
特撮映画「シン・ゴジラ」は、12年ぶりに日本で制作したゴジラシリーズの29作目。架空の政府や自衛隊の対応を織り交ぜたストーリーが評判になり、興行収入は80億円を超えた。両作品の収入は目標を軽々と上回り、制作・配給部門の利益の伸びをけん引した。
体験型の「コト消費」も収益の追い風だ。3D映像にに合わせて座席が動いたり、風邪や香りが出たりする「MX4D」とよばれるシステムの導入で、客単価が高まった。映画館の入場料収入も約1割増えたもようだ。「君の名は。」は公開から4ヵ月で、年末年始の観客動員数ではなお3位で人気が途切れていない。中国やタイでも上映し、日本映画としての興行収入の新記録を樹立した。