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2017.04.17更新

利用者増へ社有車需要に活路

 

 会員が車を共同社有する「カーシェアリング」を展開する各社が、企業会員を増やそうと躍起になっている。全体の会員数は急増しているものの、その多くは個人で、利用が週末に集中。事業の効率を高めるため、平日の利用を増やすのが狙いだ。

 東京都港区の人材派遣業「TTM」の屋敷元英常務執行役員は、得意先工場を回る社有車の経費が悩みの種だった。一昨年の夏、担当者から熱心な営業を受け、カーシェアリング最大手パーク24の「タイムズカープラウ」を使い始めた。

 カーシェアの活用で社有車を長時間使うことが減り、原油安もあって燃料費を中心に社有者にかかる経費を年間2割、900万円圧縮できた。「ここまで効果が出るとはおもわなかった」と屋敷さん。

 社有車の経費節減を考える企業に注目し、社有車の稼働率を把握するシステムを開発したのが、カーシェアー「カリテコ」を展開する名鉄協商(名古屋市)。2015年に自社で試した結果、社有車130台のうち29台を減らせた。このシステムを活用して社有車を最低限にへらしてもらい、繁忙期にはカーシェアを使うよう企業に働きかける。

 オリックス自動車は、ウェブで入会申請する企業の負担を減らす。従来はウェブ申請でも、手書き書類や免許証のコピーを郵送しなければならないのが一般的だったが、1月からは業界で初めて、法人会員の申請をウェブサイトで完結できるようにした。「手続きを楽にして入会のハードルを下げる」(広報)狙いだ。

 カーシェアの会員数は右肩上がりだ。16年3月には84万6240人に達し、「今年は100万人に達する」との見方もある。

 ただ、その多くは個人で、利用も週末の偏る。パーク24はこの5年で会員数を10倍に増やしたがその6割が個人。「これ以上集めても週末に車を使えなくなり、顧客満足度が下がる」(西川光一社長)。だからといって車を増やせば、平日は遊休化してしまう。

 海外で自家用車の相乗り(ライドシェア)を展開する米ウーバー・テクノロジーズが台頭するなど、車が「所有」から「共有」に向かう流れは世界的に強まっている。

 ただ国内業者の多くは、普及を促すため「15分200円」といった手頃な価格を最大の売りにしていて、収益性はまだ高くない。09年に参入したパーク24は本業の貸し駐車場を使える強みがあるが、カーシェアの黒字化に5年かかつた。このため、稼働率の低い平日に企業の利用を促し、事業効率を改善したいという動機につながっている。

 

 

投稿者: 松村税務会計事務所

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