マルエツ、65歳以上6%強
再雇用、貴重な戦力
食品スーパー大手のマルエツが65歳以上のシニアパート従業員の活用に力をいれている。2014年度から直接雇用の年齢上限を65歳から70歳に引き上げた。65歳以上は現在約1300人まで増え、全パート従業員の6%を占める。人手不足が深刻化するなか、貴重な戦力になっている。働くことを生きがいに感じる高齢者が多く、中堅・若手従業員の模範となっている。
東京メトロ丸の内線の新大塚駅近くにあるマルエツプチ新大塚店(東京・豊島)。レジ打ちを担当する内田婦佐子さんは昨年2月、65歳の誕生日を迎えた。マルエツは14年9月、70歳まで従業員を雇用契できるようにした。65歳以上の従業員を同社は「シニアクルー」と呼んでいる。
パート従業員の定年は65歳のため、65歳以降も仕事を継続したいパート従業員とは再雇用契約を結ぶ。従来はグループの人材派遣会社に登録して、派遣社員として雇用していた。派遣だと働く店舗は選べないが、店舗が直接雇用することで今までと同じ店で働き続けることができる。
内田さんは65歳を超えてもシニアクルーとして働く理由について「自分ではまだ若いと思っている。店内でも十分働けると思っている」と強調する。内田さんは新大塚店オープン直後の01年から働いており、今年で勤続15年を超えるベテラン。的確なレジ打ちや仕事運び、会計の仕方、店内のどこに何が陳列されているかを把握しており、接客対応などで若手や中堅企業が見習うことが大きい。