住民乗せ時速10キロ
秋田・田沢湖畔
地方創成特区に指定されている秋田県仙北市でさきごろ、国内で初めて公道で自動運転バスを走行させる実証実験が行われた。運転手がおらず、ハンドルもない電気自動車「ロボットシャトル」に住民らが乗り、時速10キロ程度で、全面通行止めにした田沢湖畔の県道約400メートルを往復した。
過疎地では高齢化による運転手不足から路線バスの維持が難しくなっており、自動運転バスが地域の足として活用できるかを探っていく。実験は、内閣府と仙北市がディー・エヌ・エー(DENA)に委託して実施した。
ロボットシャトルは全地球測位システム(GPS)やセンサー、カメラをを駆使し、障害物を避けながら自動走行する仕組み。
最大12人乗れるが、実験では1回に6人づつが乗車。実験に参加した仙北市の藤村セイ子さん(77)は「揺れもあまりなく静か。これなら友達と話しをしながら乗れそう」。同市の富嶋陸翔さん(8)も「お父さんが運転する車より、ゆっくり走って(乗り心地が)よかった」と笑顔を見せた。