こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
衣類のタグに描かれた、洗濯方法を示す「洗濯表示記号」が昨年12月に一新された。半世紀ぶりの大改正で、「洗濯機」「シャツ」など見慣れた絵柄が少なくなり、デザインも現行の22種類から41種類に増える。ただ、変更に関する認知度は低く、国が周知に力を入れている。
現行の表示は、1968年に日本工業規格(JIS)で定めた日本独自のもの。衣類の輸出入の際に表示の差し替えが必要となるなどの問題から、経済産業省が2014年、欧州などで普及している国際標準化機構(ISO)の企画に沿う形で、変更を決めた。導入は昨年12月1日から。11月末までに現行表示を付けて店頭で並んでいた衣類は当面そのまま販売されるが、順次切り替えられてていく。新表示は1洗濯2漂白3乾燥4アイロン5クリーニング_の基本記号と、力の強弱を示す横線や温度の高低を示すなどの付加記号を組み合わせて構成。
例えば、従来はシャツとハンガーの絵などで示していた干し方は、乾燥処理の基本記号のの「ロ」と、つるす意味の縦線「I」などの付加記号で表される。「高」「中」「低」と漢字表記のあったアイロンの温度表示は、高い順に3~1個の点「・」で表される。
ただ、こうした変更は一般にはまだ知られていない。家庭用品大手のライオンが4月、20~50歳台の男女800人に行った調査では、73%が表示変更を知らなかった。また、消費者が表示の解釈に戸惑いそうな例もある。現状、「洗濯機」と「選択おけ」(手洗い)の絵で描き分けられているマークは、新表示では選択おけに統一される。洗濯機が使えないという意味ではない。
周知のため、経産省は昨年8月、「新しい選択表示」と題したアニメーションを、動画投稿サイトのユーチュウーブで公開した。消費者庁は、クイズを取り入れた「選択表示すごろく」を作成。同庁のホームページでダウンロードできる。
主婦連合会の川村真紀子事務局長は「長く慣れ親しんだものからの大転換で、戸惑う人は多いだろう。関係機関による一層の周知はもちろん、消費者自ら関心を持ち、学習することも大切だ」と話している。