コンビニから飛躍、略称で
「どちらが略称なのか、という論争に終止符が打たれた」
北海道を地盤にコンビニエンスストアを運営するセイコーマート(札幌市)が今年2月に社名をセコマに変えると発表すると、こうした大げさな書き込みが一時、ネット上に見られた。
消費者が「フアミリーマート」を「ファミマ」と呼ぶように、北海道ではセイコーマートを「セイコマ」と呼ぶ人もいた。社名変更ですっきりしたというわけだ。
セイコーマートは4月1日付けで、1974年の会社設立以来使ってきた社名をセコマに変えた。
昨年9月ごろから経営陣を中心に社名変更の議論を進めるなかで、「セコマ」と「セイコマ」の2つとも商標登録した。「トヨタ」や「スタバ」のように著名企業の呼称や略称は3文字が多いことから最終的にセコマに決めた。
社名変更の直接の理由はコンビニ事業にとどまらない事業展開を進めていく姿勢を社内外に示すためだ。同社は店舗の運営とは別に、地の利を生かして乳製品や菓子などの加工食品をグループで製造し、野菜や牛乳などは生産も手掛けている。
変更と同時に「セイコーマート」「セイコーフレッシュ」だったPB(プライベートブランド=自主企画)商品のブランドを「セコマ」に統一した。「セイコーマート」以外の他の企業の店舗でも商品を扱いやすくするためだ。コンビニから食品製造卸業に脱皮する意図はここにも生かされている。
店名はセイコーマートのまま変わらないため、消費者からは目立った反応はない。「変える前には不安もあったが、特に大きな話題として取り上げられることもなく、狙い通り」とマーケティング企画部の佐々木威知部長は話している。(札幌支社 横山雄太郎)