接客や囲碁・将棋の対局などで活躍している人口機能(AI)が、一つの回答を見いだしにくい「恋愛」という分野にも進出し始めた。恋愛相談サービスや、好きな人との相性を診断するなどで、AIは過去のデータを基に素早く回答や提案をしてくれる。ただ、AIにも恋愛の「学習と経験」が欠かせないようで、どのサービスも回数を重ねることで性能を向上させているという。
教えて!GOO・ヤフー知恵袋
過去の相談から分析
NTTレゾナントは、ポータルサイト「GOO(グー)」に「教えて!GOOのAIオシエル」が、過去の人と人との恋愛相談を分析して回答する。
オシエルは、質問と回答をリアルタイムで学習するため、同じ質問でも10分前とは別の回答になるという。回答内容も「応援しています」というような無難なものだけでなく、「脈はないと思う」と断言したり、偉人の名言を引用して励ましたりすることもある。
ヤフーは、Q&Aアプリ「ヤフー知恵袋」で「脈ありチェッカー」というサービスを開始した。
米IBMのAI「ワトソン」が、「ヤフー知恵袋」にこれまで寄せられた恋愛相談を学習した上で回答する。恋愛相手がどういう人でどういう関係かなどを入力すると、付き合えるかどうかを「脈あり度」としてパーセント表示してくれる。脈あり度が高い場合には「積極的にアプローチしてみよう」などとアドバイスしてくれる。
サイバーエージェントの子会社、アプリボットライフスタイルもスマートフォン向けアプリ「QUNME(キュンミー)」の提供を先ごろ開始した。
好みの男性や女性の画像をいくつか選ぶことで、AIが顔認識技術を基にその人の好みをレコメンド(推奨)してくれる。
各サービスは、恋愛という明確な答えがない悩みを通して、AIの性能向上を図るという技術開発の意味合いもある。NTTレゾナントの若井昌宏社長は「恋愛相談は技術的なチャレンジ要素が多い。一人一人に違った回答が出るように性能を上げたい」と語る。