世界の消費市場に静かに変革を迫る「ミレニアル世代」。世界の人口の約3割を占め、世代別では「最大勢力」だ。15~64歳の労働人口でみると5割弱に達し、2025年には世界の労働者の75%を同世代が占めるとの試算もある。
最大の特徴は「デジタルネィーテブ」なこと。物心が付く頃からインターネットに親しみ、スマートフォン(スマホ)を介した情報収集はお手の物。SNS(交流サイト)を通じたつながりも大切にする。
米ゴールドマン・サックスはミレニアル世代について「幼少期や就職前に金融危機を経験し、資産価格の下落や経済の落ち込みを見てきた」と指摘する。そうした環境で育ったからか「大企業への不信感が強い」と分析する調査機関もある。日本では「欲」に乏しい「さとり世代」とも言われる。
興味深いのがカナダ系資産運用会社マニュライフ・アセット・マネジメントが中国や日本、東南アジアの8ヵ国・地域の4000人(中間層ー富裕層)を対象にした個人投資家だ。将来の具体的な貯蓄額の目標額を立てている人はミレニアル世代で6割に達し、35歳以上(44%)を上回った。お金はさほど使わず資産の4割は現預金として残すという。
経済が発展段階の中国や東南アジアですら必需品以外の消費に消極的という結果からは「草食化」したミレニアル世代の傾向が浮かび上がる。
2016.12.05更新
ミレニアル世代「草食化」傾向強く
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