「かっこよく
」乗り心地・安全追及
揺るがない地位
世界にモータリゼーションを引き起こすカローラの地位は今も揺るがない。派生車種を含む年間販売台数168万台の9割以上は海外だ。世界16工場で生産し、154ヵ国で販売する。米国では日常の使い車として、中国では中間層のエントリー車として売れる。一方、ブラジルやタイなどでは富裕層の乗る高級車の地位を確立。地域によって異なる顔をみせる。
一方、難しくなってきたのが発祥の地、日本での立場。2000年以降、プリウスやアクアなどのHVが年間販売台数トップを競う中、カローラの車名別販売台数は10位に甘んじることが多くなった。カローラ所有者の平均年齢も上がり、トヨタ首脳は「昔のカローラが果たした役割を、今はプリウスが担っている」と話す。
若年層取り込む
先進国でも新興国でも売れなくてはならない最量販車をどう作るのか。開発陣は難題に立ち向かう。19年前後の発売を予定する12代目カローラを担当する小西良樹ZEチーフエンジニアは「乗り心地や安全性能の追及に加え、かっこいい車を目指す」と語る。デザインも抜本的に変え、特に若年層の取り込みを狙うという。
トヨタは次期カローラで現行モデルより車両を大型化し、新型プリウスと同様の車台を使う計画。同時に四輪駆動(4WD)方式のHVを設定して、寒冷地を含めた世界各地での販拡を狙う。
過去50年間で36回獲得した国内年間販売1位の座。12代目で販売をテコ入れし、これをもう一度つかみ取る目標だ。