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2016.11.21更新

本の帯
~宣伝のために単行本や文庫本「腰巻き」ともいう。編集者らが書く宣伝文や著名人による推薦人などを印刷しているケースが多い。最初に巻かれたのは、大正時代とも明治時代ともいわれる。

出版社「丁寧に魅力伝えたい」
 活字離れやソーシャルメディアの拡大などで出版市場が縮むなか、フェルトペンや筆で書いたような文字が躍る帯をまいた本が売れている。出版社の編集者らが、キャッチコピーを考えて手書きした文章を印刷したものだ。何が読者を引きつけるのか。
 「トラウマ級!全国民必読の怪作学習漫画」
 フェルトペンで書いたような赤の太字が目立つ帯を巻いた水木しげる著「劇画ヒットラー」(ちくま文庫)が6月全国チェーンのこまざわ書店に並ぶと、全国で月に数十冊程度だった売れ行きが、1ヵ月で260冊を記録した。
 帯を作ったのは筑摩書房の営業担当、尾竹伸さん(37)と編集担当、窪拓哉さん(37)。尾竹さんが考えて手書きし、社内のコピー機で印刷した。

売り上げ急増

 二人が手書きの帯を始めたのは3年ほど前。昭和の人気作家、猪子文六の小説「コーヒーと恋愛」に活字の帯を巻いたが、過去の本の魅力を再発見した興奮を伝えたいと、手書きで「今年一番面白い小説、早くも決定していいですか?そして強く要望、ドラマ化」と書いた帯を社内のコピー機などで作った。書店で本に巻いたところ売り上げが急増。切り替え前は8千部だったが、その後に約6万部売れるヒットとなった。
 2014年1月刊行のいしわたり淳治の短編小説・エッセー集「うれしい悲鳴をあげてくれ」も、「この本を楽しめないなら他にオススメはありません!」などのコピーを印刷した帯を巻き、累計17万5千部の売れ行きとなった。1998年に出した三島由紀夫の小説「命売ります」は昨年6月、「隠れた怪作小説発見!」と手書きして印刷た帯を巻き、今や累計26万6千部のベストセラーだ。
 「売り上げ確保のために次々刊行する必要があるのも出版の現実だが、1点ごとの魅力を丁寧に読者に伝えたい」と尾竹さん。

「口コミ効果」

 「手書き帯」作戦は、他社にも広がる。新潮社は直木賞作家、天童荒太の「孤独の歌声」(新潮文庫)に昨秋、「この面白さ脱帽級!!」という帯を巻き、売れ行きが伸びた。「手書きにすることで一読者の素直な感想と受け止めてもらえた」と営業の小川寛太さん。KADOKAWAも昨年3月刊行の「握る男」(原宏一著、角川文庫)に「必読です!!」と筆で書いたような文字の帯を巻き、売れ行き好調という。

投稿者: 松村税務会計事務所

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