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2016.06.03更新

富山・石川、宿泊客2ケタ増
沿線県、企業移転呼び込む

ホテル足りない

 2015年3月の開業から2月までの北陸新幹線の累計利用者は、開業区間に含まれる上越妙高ー糸魚川間で前年比3倍の898万人、すでに開通していた高崎ー軽井沢間で同2倍の1750万人。開業区間の方が伸び率が高い。兼六園や輪島朝市、五箇山などの観光地の客数は大幅に増え「経済効果は大きい」(山野之義金沢市長)と評価する。
 15年の延べ宿泊者は石川県が前年比12.9%増の852万人、富山県が同14.0%増の398万人でともに2ケタ増を記録した。観光客増加に加え、学会やコンベンションなどが多く開かれて需要が逼迫し、旅行者などから「ホテルが足りない」などの声が聞かれた。「学会などを誘致しすぎたのではないか」(深山彬金沢商工会議所会頭)と反省する。
 開業効果の持続に向け、北陸経済連合会は北陸新幹線ルートに太平洋側を加えた地域での「ゴールデンループ」形成を目指して広域観光を推進する。金沢市は「(新幹線から乗り継ぐ)2次交通が最大の課題」(山野金沢市長)ととらえ、市街地でのバス専用レーン設置などの実験で改善策を探る。

首都圏からの誘致

 新幹線開業を絶好の機会と捉え、石川県は企業誘致策を強化した。本社機能の一部を県内に移転する企業への補助制度を15年度に創設した。現時点でJOLED(東京都千代田区)や日機装技研(静岡県牧之原市)など3件が補助される見込み。
 現時点では投資規模が小さいため補助対象にはならないが、白山製作所(東京都豊島区)が金沢市に本社機能の一部を移転した。さらに金沢市や白山市など市町村レベルで同様の補助制度を設ける動きが広がっている。
 富山県には県内で事業を始める中小企業への融資枠を設け、誘致を推進している。大手企業ではYKKが15年から本社機能の一部を東京都から黒部事業所(富山県黒部市)への移転を進めている。

関西と交流拡大

 北陸新幹線は22年度に福井県敦賀市まで延伸する予定。敦賀以西のルートについては与党検討委員会が従来の5案から3案に絞り込んだ。金沢商工会議所と連携し、8月に開く商談会に関西企業の参加を募る。西日本との交流にまで視野を広げ、継続的な発展を目指す。


投稿者: 松村税務会計事務所

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