軽傷3割
搬送なし63万件7割
全国の消防への119番のうち、病院の場所の問い合わせや軽微なけがの搬送など、「不要」「不急」の通報が約7割に上っていることが分かった。不急を含む119番の内訳が明らかになるのは初めてで、救急現場の負担が増す中、関係者は頭を抱えている。
総務省消防庁が昨年12月に公表した消防白書によると、2014年の119番件数は約842万件あり、うち火災は1%で、救急・救助要請が68%に上る。
同年の全国の救急車の出動件数約598万件の搬送状況などを分析すると、誰も搬送しなかったケースは約63万件で、通報件数の7%。病院に搬送しても、入院しなかった軽傷者数は、通報件数の30%にあたる約267万人で、合わせると4割近くが不急の通報だった。
同庁は、通報件数と出動件数について別々に統計を取っており、通報件数に占める不急の割合は明らかになっていなかった。
一方、白書によると、通報件数のうち、病院やサイレン音の問い合わせなど24%、間違い電話やいたずら電話6%など、救急出動を求めない「不要」の通報が3割を占めており、不要・不急の119番は7割に上る。昨年1〜11月に全国の警察が受理した110番のうち、緊急を要しない通報は約2割で、119番の不要・不急の多さが際立つ。
通報件数は、白書で統計が公表されるようになった06年以降、毎年ほぼ800万件台推移している。救急車の出動件数は04年以降、毎年500万件を超え、14年には過去最多を記録。5.3秒に1回、救急車が出動している計算となる。
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