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2016.05.16更新

ネットで相次ぐ
総務省「趣旨外れる」

 自治体が「ふるさと納税」の寄付者に謝礼品として贈った商品券などの金券が、インターネットのオークションで転売されるケースが相次いでいる。読売新聞が調べたところ、ネットオークション大手「ヤフオク!」で1月までの4ヵ月間に、千葉県大多喜町など6市町村の商品券や宿泊券など少なくとも212件(約840万円相当)が取引されていた。総務省は「地域振興という、制度の趣旨から外れている」としている。

 最も多かったのは、大多喜町の「ふるさと感謝券」の168件。寄付額の7割分がもらえる金券で、町内の商店や旅館などで使える。ネット通販を利用できる店もあるため、他市町(3〜13件)より突出して多かったとみられる。他市町では額面が寄付額の5割で、地元商店街などでの利用に限定されている。ネットオークションでの取引額は、額面の6〜7割程度だ。
 大多喜町によると、2014年12月に感謝券の贈呈を始めたところ、寄付額が急増。15年度の寄付額は同年末までに15億円と、14年度1年間の30倍に増えた。謝礼品にはタケノコなどの特産物もあるが、ほとんどの寄付者が感謝券を選ぶという。転売が相次いだため、同町は1人の寄付者が受け取れる上限額を設けることを検討中だ。
 このほかに転売されていたのは、静岡県西伊豆町の「ふるさと納税感謝券」(13件)、群馬県草津町の「くさつ温泉感謝券」(11件)、鳥取県三朝町の「三朝温泉旅館利用券」(9件)群馬県中之条町の
「感謝券」(8件)、三重県志摩市の「共通商品券」「プレミアム宿泊券」(計3件)。
 総務省は昨年1月と4月、金券など換金性の高い謝礼金の自粛を求めたが、「特定の名産品がない」などとして継続する自治体もある。
 大多喜町に6万円を寄付した場合、寄付者は自己負担額2000円を差し引いた分が住民税や所得税から控除(減額)されるうえ、4万2000円分の金券が贈られる。2万9000円で転売した場合、寄付の自己負担額を差し引いた2万7000円分は寄付者の「利益」になる。一方、7割を謝礼として出す町には1万8000円分の収入しか残らない。
 制度に詳しい保田隆明・神戸大准教授(金融論)は「地方の雇用や産業を生むという目的から、転売できるものは謝礼品にお薦めできない」と話している。

投稿者: 松村税務会計事務所

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