漏えい保障、企業にニーズ
今年1月から始まったマイナンバー制度に対応した保険の契約が急増している。個人情報の漏えい被害を補償するタイプの保険で、従業員のマイナンバーを管理する企業のニーズが高まっているためだ。個人番号を記した通知カードの配達遅延などで制度に対する企業側の不安も背景にあるとみられ、漏えい防止策や被害時の相談サービスも注目されている。
「通知カードの配布で、保険への関心が高まっている」。マイナンバーに対応する保険を扱う東京海上日動火災保険の担当者はこう指摘する。昨年2月に売り出した、マイナンバーの漏えい被害に対応する「サイバーリスク保険」はこの2ヵ月で契約件数が約2割増加。個人情報が漏えいした際の費用損害保険や賠償責任保険の今年度の契約は前年度比2割増の約7000件を見込む。
同様の保険を扱う三井住友海上火災保険や損保ジャパン日本興和も1昨年より1〜2割程度契約が伸びているという。
東京海上日動は昨年10月から実際の被害がなくても不正アクセスの有無などを調べる費用を補償の対象に加えた。保険契約の有無にかかわらず希望する企業に専門業者を紹介したり、想定被害額を見積もったりする無料サービスも開始。取引のある中小企業で、個人情報漏えいを補償する保険に加入する割合は数%にとどまっており、無料サービスから保険加入につなげたい考えだ。
損保ジャパン日本興和は昨年9月から、マイナンバーの収集や保管、廃棄のルールや運用体制について助言できる社会保険労務士を中小企業に無料で紹介するサービスを始めた。紹介先はこれまで100社をこえている。
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