自治体への問い合わせも増えている。大阪市健康づくり課によると、市のがん検診専用電話への予約や問い合わせは通常1日約30件だったが、昨年9月下旬以降1日約100件に急増し、約180件の日も。国が推奨する「2年に1回」という受診ペースについて「毎年受けなくていいのか」という問い合わせも多いという。
こうした動きに対して聖路加国際病院(東京都中央区)放射線科乳房画像診断室の角田博子室長は「健診をうけていれば絶対に大丈夫と考えないで」と呼びかける。がんにはさまざまな種類ああり、進行が非常に速いがんは、健診による早期発見が難しい場合がある。進行が非常に遅く、生きている間に症状が表れないがんは、検診で発見されると本来必要のない治療を受ける「過剰診断」となる恐れもある。
また結果的には良性腫瘍でも精密検査の負担が大きい「偽陽性」の問題もある。X線を乳房の照射するマンモグラフィー検査を必要以上に受けると放射線被爆による乳がんの誘発リスクも生じる。
角田室長は「検診の利益と不利益を正しく知り、賢く検診と付き合ってほしい」と話した。
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