ラッシュ時間帯に新設
利便性で顧客つかむ
私鉄各社が通勤客の需要を狙い、有料の指定座席がある列車を増発する。東武鉄道や京浜急行電鉄が朝のラッシュ時間帯に有料特急を運行するほか、小田急電鉄は郊外のターミナル駅に特急を停車する。混雑を避けたい利用者に加え通勤時間を活用して仕事や学習をしたいニーズも増えているという。少子高齢化で沿線人口の増加が見込みにくいなか、サービスの充実で収益性を高める。
東武鉄道は2016年春から座席指定「TJライナー」を朝のラッシュ時間帯に運行する。午前7〜9時台に池袋駅に到着する上り列車を検討している。TJライナーは310円の着席整理券を購入すれば必ず座ることができる。これまでは夕方から夜の時間帯だけ池袋発の下り列車で運行していた。
京浜急行電鉄も座席指定「ウィング号」の運行を12月7日から始めた。神奈川県南部の三浦・横須賀エリアから品川・泉岳寺駅に向かう列車を運行する。
料金は1回300円で5500円で1カ月定期も用意する。14年6月から車内に公衆無線LANを導入。「通勤時にネットで語学の学習をする人も増えている」という。
朝夕のラッシュ時に座席指定の特急レッドアローの14年度の利用者数が10年度に比べ13%増えた。30〜40歳代の男性客が利用者の4割強を占める。仕事で疲れた時の利用に加え、最近は「パソコンを使って車内で仕事を続ける会社員の姿が目立つ」(西武鉄道)。
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