大手、受け止め二分
新しい塾検はどれだけ普及するのか。大手学習塾の受け止めは分かれている。
首都圏を中心に小中高生向けの塾を展開する大手のSAPIXは自社研修で講師の質を高めるといい、検定は使わない方針。運営会社の広野雅明・教育事業本部長は「難関校を目指す生徒が多いので、基礎的な指導力をみる塾検は目的が違う」と説明する。148教室がある早稲田アカデミーも、新検定の利用はない。独自の指導ノウハウをまとめた映像などを使い、講師研修を重ねているという。
一方、全国約430教室を展開する栄光ゼミナールは塾検の開始時から利用し、正社員候補の2割にあたる役200人が受験済み。教室の責任者になる入社3〜5年ほどの社員が、指導方法を振り返る機会に位置づける。「評価制度を全て自前でそろえるのは大変。外部検定の方が客観性もある」と横田保美・広報室長は話す。
課題は大学生など非常勤講師の扱い。約30万人とされる塾講師全体の6割といわれるが、短い勤務年数がネックだという。ある大手学習塾は9割近くを非常勤講師が占め、大学生はその6割。そのまま入社する学生は数%にとどまるといい、「検定料を会社が負担して受験させても、費用対効果が薄い」と担当者は話している。
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