1980年の2.8倍
親の転勤などで、義務教育を受ける時期を海外で過ごす子供は増えている。外務省によると、1980年の約2万7千人から、2014年は約7万6千人と約2.8倍に。地域別では05年、それまで最多だった北米をアジアが抜いた。現在はアジア42%、北米32%、欧州19%。駐在地域によって、通う学校も異なる。
現地の学校やインターナショナルスクールに通う場合、日常会話の習得に2年、学年担当の授業を理解するには4〜7年程度かかるとされる。
日本に帰国する小中学生は年1万人前後で推移している。
日本国内における帰国生への評価も、時代とともに変わっている。1970年ごろまでは「日本の教育を受けられず、救済が必要な存在」。だが、日本企業がどんどん海外進出をするようになり、80年代からは「時代を先取りし、学校を活性化する存在」として期待されるようになっていった。帰国生を受け入れる学校も増え始めた。
ただ、「教育の中で、同質を求める傾向は変わっていない」という指摘もある。
海外赴任者の教育相談に応じる海外女子教育振興財団(東京都)の植野美穂さんは「海外で育つ子どもは多様性を尊重する感覚を身につけて帰国する。日本の学校は、語学力だけでなく、個性や国際感覚を伸ばす教育をしてほしい」と話す。
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