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2015.10.09更新

若年層の軽減課題
 こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
政府税制調査会(首相の諮問機関)はさきごろ、総会を開き、約20年ぶりとなる所得税の抜本改革に向け、本格的に議論を始めた。20年前と比べて非正規社員や共稼ぎ世帯が増えるなど社会構造は大きく変わっており、現行税制は時代に合わなくなっている。特に若い世代へのしわ寄せが重くなっており、税負担を軽減する「所得控除」の見直しにより、負担の是正を図ることが課題となりそうだ。

政府税調
若年層の軽減課題

 来年6月までに中長期的な税制の将来像を示す答申をまとめる。今秋には中間の論点整理を行う。中里実会長(東大教授)は総会後の記者会見で「昨年は配偶者控除を中心に議論したが、もっと幅広く所得税の負担構造のあり方について考えていきたい」と述べた。
 総会に提出された資料によると、約20年前と比べて高齢者が受ける年金や医療など「受益」が増える一方、世帯主が20〜39歳の比較的、若い世代が払う所得税や消費税、社会保険料といった「負担」が重くなっている。委員からは「若年層は収入が低いのに負担が大きい」などと改革の必要性を指摘する意見が相次いだ。
 政府税調は、若い共稼ぎが安心して子供を育てられ、経済活力を生むような税制を目指している。所得税には「課税の公平性」の観点から、税金を負担する能力に応じて税負担を軽くする所得控除(差し引く)という仕組みがある。所得税や住民税を計算する際、所得から差し引いて課税の対象外とすることができる。
 今後の議論では、専業主婦のいる世帯の税負担を軽減する配偶者控除を中心に、扶養控除など様々な所得控除について、控除額や適用対象の線引きをどのように改革して組み合わせ、適正な負担のあり方を探るのかが焦点となる。
 総務省などによると、1990年代に夫婦共稼ぎ世帯が、男性による片働き世帯の数を逆転した。労働者に占める非正規社員の割合も現在は4割近くまで増えている。

投稿者: 松村税務会計事務所

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