家計黒字を目指して
北区王子の税理士松村憲です。
新社会人にも金融教育は大切だ。金融広報中央委員会(事務局・日銀)はホームページで「新社会人のためのマネープラン」を特集している。
斉藤聡主任企画役は「新入社員は初めて自分で家計を管理するので、まず、収入と支出がいくらかなのかをしっかり頭に入れてほしい。早い時期から家計が黒字化すれば、若い人は時間が味方になる。黒字化のための方法は、給料から一定額を天引きすること」とアドバイスする。
また、「奨学金やクレジットカードなどで負債がある場合、金利を意識せず滞納すれば利子が利子を生んでしまう。余裕資金があれば投資もいいが、よく分からないものには投資しないこと」と注意を促す。
日本FP協会も「若手社会人のマネー&ライフプランお役立ちハンドブック!」の改訂版を昨年5月に作成。消費や貯蓄を計画的に行うことを訴え、給与明細書の見方などを説明している。人生の3大支出として、教育、住宅、老後資金を挙げ、それぞれの資金作りの方法を提案している。
早川浩二総合教育部長は「かつてと違い、自分の金銭面での将来は自己責任の時代に変わってきている。早い時期から取り組むことにデメリットはない」と呼びかけている。ファイナンシャルプランナー(FP)が企業の新人研修の講師になるケースも出ているほか、協会も無料体験相談を行っており、FPの活用も一つの手だ。
仕事と自分に投資
若いときにしかできない「投資」も必要だという意見もある。
「20代のうちにこそ始めたいお金のこと」(すばる舎、1512円)の著者、中野晴啓セゾン投信社長は「お金をため込むより、まず仕事に投資すること。20代の努力は30代、40代になって返ってくる。資格取得や外部の人脈作りなど、明日の自分につながる使い方が大切。自分を成長させる意味では、趣味や友人との出費もよい」と自らの体験をもとに語る。
同時に、若いうちから月5000円であっても投資をすれば経済への関心を持てるとともに、長期なほど利子が利子を生む複利の力が働くため、中高年から始めるよりも金銭的ににも有利になるという。中野さんは「どうすればお金が生きるか考えて使うべきだ。そして、ここぞというときにときには思い切った額を使ったらいい」と話した。
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