東証の中小向け
23区内、「後継者いる」6割
中小企業向けに東京商工会議所が運営する「東京都事業引継ぎセンター」によせられる相談が大きく増えてる。新規に相談した企業は2014年4月〜15年1月までで482社と、13年度の年間実績(490社)にほぼ肩を並べた。東京23区の中小を対象にした調査では、15%の企業が後継者が決まっていないと回答しており、関心は高いようだ。
前年同期(2013年4月〜14年1月)と比べると約2割増加し、相談件数は過去最多のペースで増え続けている。内容は第三者への株式譲渡や、従業員への承継など。同センターを介したM&A(合併・買収)の成約件数は25件で、こちらも13年度年間実績(11件)を2倍以上上回った。
一方、東証がこのほどまとめた事業承継の実態に関するアンケート調査(東京23区の中小1075社が回答)によると、後継者が決まっているか候補者がいる企業は約6割だった。「息子」が最も多く、次いで「親族以外の役員・従業員」との回答が続いた。
東商は「これまで親族への承継が自然な流れだったが、少子化や子どもが大企業に就職したりといった理由で、後継者がいなくなっているケースも目立つ」と説明する。
自社の株式を後継者に譲る場合、相続税や贈与税が課題となるが、納税を猶予する「事業承継税制」がある。調査で認知度を聞くと、「知らない」という回答が4割。制度を利用している・準備しているとの回答も1割未満と低く、認知度の低さが明らかとなった。
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