「国際」系大学に対抗
もともと「外大」を名乗る大学が大同団結した背景には、日本の大学のグローバル化がある。「国際」と名のつく学部の新設が相次ぐ。原則英語のみの教育や「リベラルアーツ」と呼ばれる国際教養のカリキュラムを用意したり、留学を義務づけたり、といった動きが広がる。グローバルな先端教育を掲げる外大としても差別化が難しくなってきた。
「もっぱら英語力を重視する大学・学部がグローバル人材の育成に強いようなイメージができつつあります。しかし英語力だけでは十分ではありません。外大は、そこにとどまらず、世界の諸地域のさまざまな言語と文化社会に関する専門学術を教え、研究し、それらを理解する力をつけさせています。英語+地域言語+地域文化社会の理解を通して、多言語グローバル人材を輩出することが最大の特徴といえます」
連合憲章の調印式の際に、関係者が述べた言葉の内に自らの独自色を打ち出そうとする思いが滲んでいた。
東京五輪で、通訳ボランティアに従事する学生らは、海外選手団の世話や事務局と選手との連絡係、大会期間中の各国選手のアテンダントや式典・会議での通訳など、スムーズな運営のためのサポートに携われることが期待される。セミナーでは、こうしたさまざまな場面を想定しての訓練も実施するという。
既に東京五輪の前に開催される国際的なスポーツ大会や経済会議などでも派遣の要請が届いている。このためボランティアの定員は設けず、「一人でも多くの在学生や卒業生に、歴史的イベントにおける活躍の場を提供したい」という。五輪後まで活動を継続して多言語グローバル人材の裾野を拡大していく方針だ。
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