非正規社員の正社員化を促すため、東京都は来年度予算案に約25億円を計上し、独自の対策に乗り出す。非正規から正規に切り替えた企業に国が最大50万円を助成する際、都が同額を上乗せする。35歳未満の若者を正社員に採用した中小企業には15万円の奨励金を出す制度も創設する。
来年度転換企業に最大50万円助成
枡添要一東京都知事は「社会を安定させるには正規の職が必要。税金を投じても何倍にもなって戻ってくる哲学で臨む」と述べた。来年度から3年で計1万5千人の正規への転換を目指す。
厚生労働省は、半年以上働く有期の非正規社員を正社員に切り替えた中小企業に1人あたり50万円、大企業には40万円を助成している。都は来年度予算案に約8億5千万円を計上し、都内に本社や事業所を置く企業に国の助成額と同額を上乗せ助成する。企業の規模を問わず、企業内の非正規から正規への転換を促す狙いだ。さらに都は、若者の正社員化を促すため、来年度に2億円規模の奨励金制度を創設。採用実績などの開示を条件に厚労省が認定している都内の若者応援企業がハローワークの紹介で35歳未満を正社員として採用した場合、都が一人当たり15万円を企業に支給する。新卒採用は対象外で、採用後6ヵ月、職場に定着するのが条件という。
若者以外の非正規社員も増えているため、都は45歳未満の正社員化の支援策も本格化させる。職務実習とトライアル雇用を合わせた9ヵ月間の支援プログラムや正社員化を前提にした1ヵ月の就労体験などを用意し、来年度予算に約15億円を計上する方針。
総務省統計によると、昨年11月の非正規労働者は2012万人(役員を除く雇用者に占める割合は38.0%)。都内でも2012年は216万人(同35.7%)と02年の174万人(同33.5%)より増えた。
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