普及へ開発競争促す
トヨタ自動車は、同社が持つ約5680件の燃料電池車の関連特許すべてを無償で公開すると発表した。「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車を定着させるためには不十分と判断し、早期に普及させるため企業や業界の垣根を超えた開発競争を促す。世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクスショー(CES)」の開幕に先立ち、北米トヨタのボブ・カーター上級副社長が記者会見して公表した。自動車大手が次世代技術の特許を不特定の企業や団体にすべて公開するのは極めて珍しい。ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は燃料電池車の特許を互いに公開する提携を結んだが、対象は両者に限定している。
トヨタが単体で保有する燃料電池車の特許を提供し、グループの部品メーカーが持つ特許は対象外とする。発電装置のスタックと燃料タンク、システム制御関連の計5610件は2020年末までの特許実施権を無償とする。水素ステーションの約70件の関連特許は公共性が高いため、無期限で無償提供する。
トヨタは14年12月に世界初となる量産型燃料電池車「ミライ」を発売した。全量を日本で生産し、米国や欧州には今夏から輸出する。
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