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2015.02.20更新

消費支出7ヵ月連続減・住宅着工12%減

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 消費税率を8%へ引き上げた後の景気の失速が長引いている。総務省がさきごろ発表した昨年10月の家計調査は、消費支出が7ヵ月連続でマイナス。一方で、原油価格の下落によって、物価上昇の勢いは減速しており、今後、消費の回復につながるかどうかが注目される。

物価上昇鈍化、家計にはプラス

消費〜
 昨年10月の家計調査で消費支出は、前年同月比4.0%減だった9月よりは落ち込み幅は改善したものの、依然厳しい。
 項目別では、エアコンや冷蔵庫などの「家庭用耐久財」が37.8%減、「自動車等購入」が12.4%減など、駆け込み需要の大きかった品目で落ち込みが続く。週末の台風上陸もあって、宿泊料などの「教養娯楽サービス」は6.4%減だった。
 国土交通省が発表した10月の新設住宅着工数も、前年同月比12.3%減だった。減少幅は前月から縮まったが、8ヵ月連続で減少する。
 甘利経済再生相はさきの記者会見で、「消費の戻り方は強くない。消費税率引き上げの先送りは正しかった」と述べた。国内総生産(GDP)の実質成長率が2四半期連続マイナスだった7〜9月期の失速は10月以降も続いている。
 消費低迷が長引いているのは、物価上昇の勢いに、収入の上昇が追い付かないため。家計は負担が増え、節約に向かわざるを得ない。

物価〜
 10月消費者物価指数では、消費税率引き上げの影響を除いた物価の上昇率は0.9%と1年ぶりに1%を割り込んだ。
 物価上昇のスピードが減速しているのは、原油価格の低下の影響が大きい。6月中旬に1バレル=107ドル台だった米テキサス産軽質油(WTI)の原油価格は、70ドル前後まで下がった。全国のレギュラーガソリンの平均価格はその時点で19週連続で値下がりしている。
 石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りで、価格が一段と下がりそうだ。市場では、消費増税の影響を除いた物価の上昇率は、春には0.5%まで鈍化するという見方が強い。物価の上昇スピードの減速は、家計にはプラスに働く。
 ただ、日本銀行が掲げている2%の目標は遠のくことになり、「デフレ脱却」を目標に置くアベノミクスの効果も後退しかねない。日銀に、再び金融緩和を求める圧力が高まりそうだ。

生産〜
 雇用は企業の業績回復をを背景に、引き続き堅調だ。9月に3年4ヵ月ぶりに悪化した有効求人倍率は前月比0.01ポイント改善し、バブル経済崩壊後、最高水準の1.10倍に回復した。
 企業の生産活動を示す鉱工業生産指数も前月比0.2%上昇と、2ヵ月連続で改善。半導体製造装置のほか、エアコンや冷蔵庫の生産も増えるなど、15業種中6業種の指数が上昇した。
 第一生命経済研究所の新家義貴氏は「生産の水準はまだ低いが、最悪期は脱しつつある。生産が持ち直せば、企業業績がのびて消費の回復も期待できる」と指摘する。

投稿者: 松村税務会計事務所

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