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2015.01.28更新

ムダな残業削減、私生活充実

 早朝に出社し夜の残業を減らす「朝型勤務」が企業の間に広がりをみせている。仕事を効率化させ、社員の私生活の充実や、残業代など経費の削減につなげるのが狙いだ。日本企業の長年の課題である長時間労働を解決する決め手になるか、朝の風景を追った。

時間外手当7%減

 夜も明けきらない午前4時、伊藤忠商事(東京都港区)で金属原料の事業開発を担当する一之瀬浩さん(44)の一日が始まる。神奈川県大和市の自宅を出て始発電車に乗り、東京・北青山の職場に着いたのは、6痔11分。海外相場の状況に目を通しメールを整理すると、地下1階に下りて会社が用意した朝食をとる。バナナやおにぎりなど3つまで無料だ。
 一ノ瀬さんは「時差のある北米とのやり取りに間に合うので、早朝勤務は都合がいい」と話す。部下の社員も7時過ぎに出勤した。
 伊藤忠商事は5月に朝型勤務を本格導入した。対象は国内に勤務する約2600人。午後10時以降の残業を禁止する代わりに、午前5〜9時の勤務に「早朝割り増し」を支給する。導入後総合職一人当たりの1ヵ月の時間外勤務は約4時間減り、支払う時間外手当も全体で約7%減った。「夜はだらだら残業になりがちだが、朝は集中しやすい」(伊藤忠)からだという。
 一ノ瀬さんは午後5時15分には仕事を終える。取引先や部下と食事をする日もあるが、2次会はなし。帰宅し子供たちと向かい合う。「持ち帰り残業をなくすことが大切」とも話す。
 衣料品の専門商社「八木通商」(大阪市)も昨年7月、勤務時間帯を1時間超前倒しし午前8時〜午後4時に変えた。午前5時〜8時前の勤務には残業代を支払う。

「無料朝食」効果

 制度改正まで踏み切らず、自主的な早朝出勤を促す企業もある。
 インターネット広告を手がける「オプト」(東京都千代田区)は昨年1月から週2日、朝食を無料で提供している。深夜まで働くことが当たり前になっている雰囲気を変えるのが目的だ。総務人事サービス部の富川めぐみさんは「夜は残業代もかさみやすく、社員の体にも悪い」と話す。近所のパン屋さんから調達される朝食が人気となり、朝型社員は増えつつある。
 政府も6月にまとめた新しい成長戦略で、仕事と生活の調和を取るために朝型勤務の普及をうたっている。
 ただ、同じ企業内でも部署ごとに仕事内容が違うため、一律の義務づけは難しそうだ。日本総合研究所の村上芽さんは「(主に社内で仕事が完結する)総務系などの部門では実施しやすいが、社外とのやりとりが多い部門では朝型に抵抗を感じるだろう」と指摘する。

投稿者: 松村税務会計事務所

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