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2014.11.28更新

こんにちは、北区王子の税理士松村憲です。
 加工食品は原則、食品衛生法と日本農林規格(JAS)法に基づき「消費期限」もしくは「賞味期限」の表示が義務付けられている。消費期限は安全を確保できる期限で、過ぎたら食べてはいけない。おおむね製造から5日以内に消費する弁当や生鮮食料品などに表示される。賞味期限はおいしく食べることができる期限で、即席麺などに表示されている。製造業者などが味や香りといった品質変化を科学的に測定して設定している。
 賞味期限が3ヵ月超の食品は年月だけの表示も可能だが「消費者の鮮度への関心は高い」(食品メーカー大手)といい、これまでは大半が年月日表示となっていた。一方で、原油や穀物相場の高騰で原料や流通コストが上がり、生産や流通において無駄がないか見直しが求められていた。
 さらに、欧州連合(EU)は食品廃棄物の半減を目指す方針を採択し、企業を巻き込んで削減に取り組むなど海外の動きが活発化したほか、東日本大震災をきっかけに消費者の「もったいない意識」も高まっている。
 賞味期限を年月表示することで、日別で管理していた商品の配送や保管、店頭の陳列などの作業がまとめてできるようになり作業負担の軽減が見込まれる。物流の効率化で二酸化炭素(CO2)の排出量削減にもつながる。国や食品メーカー、卸・小売り業が官民で連携して缶詰など日持ちの良い加工食品を中心に、年月日から年月表示に切り替える検討を始めた。
 食品業界の任意のルール「3分の1ルール」も見直しが検討されている。製造日から賞味期限の3分の1が経過する前に小売業に納品するルールで、それを過ぎると返品もしくは廃棄されていた。「3分の1ルール」の見直しに加え、賞味期限の年月表示への切り替えが進み、在庫や販売管理が効率化すると返品や廃棄が減る可能性が高い。
 キリンホールディングスなど食品メーカーと小売り・卸18社で構成する「サステナビリティプロジェクト委員会」は2013年2月に飲料水の賞味期限の表示方法を年月日から年月表示へ切り替える方針を表明。洋数字から漢字を含めたわかりやすい表記に改めた。
 コカ・コーラグループやサントリー食品インターナショナル、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジの大手5社が先行して2リットル入りの飲料水から始めた。容量だけでなく対象商品も缶コーヒーやウーロン茶、炭酸飲料などに拡大している。「14年中にキリンビバレッジの飲料の3割を年月表示に切り替えたい」(キリンホールディングス)と意欲を見せている。

投稿者: 松村税務会計事務所

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