個人間の中古車売買

2014.11.26更新

個人間の中古車売買

納得の価格で拡大

　個人同士の中古車売買が広がっている。専用のインターネットサービスが仲介。個人間の取引なら消費税がかからない上、車の買い取り業者や販売店を介さないので売り手、買い手双方が納得できる価格で売買しやすいと注目されている。

　ゼロが５万円に〜
　「買い取り業者の査定はゼロだったのに５万円で売れた」。名古屋市に住む会社員の高田由美さん（３１）は個人間の中古車売買を引き合わせるネットサイト「カルトゴ」を利用し、中古のミニバンを売った。
　８年前に１００万円で購入。走行距離が１０万キロを超えたため、買い替えようと買い取り店で下取り査定を受けたが値が付かなかった。駄目もとでカルトゴに掲載したところ、希望者が現れて売却できた。高田さんは「古い車でも個人相手なら買ってくれると分かった。業者にはないメリットです」と振り返る。

　ネットで気軽に〜
　カルトゴはネットサービス会社のトロイカ（東京）が運営している。中古車の購入希望者は専用サイトで売り手が登録した車の販売価格や画像、状態を確認。買いたい車が見つかれば売手と連絡を取って実物を見ることもできる。個人間の取引を促すため、手数料は現在無料だ。
　店舗やネットで売られる中古車は通常、業者資格を持つ者だけが参加できるオークション市場を通じて調達される。このため、購入価格には買い取り業者と販売店の利益などが上乗せされる。
　カルトゴはこうした中間業者との関わりを省くことで、売り手は買い取り業者より高い価格で売却し、買い手は販売店よりも安く購入することが可能になる。
　運輸局への名義変更登録など面倒な手続きもサイト内に登録する代行業者に割安価格で依頼できるほか、カルトゴが提携する全国の整備工場の中から最寄の業者も紹介してくれる。トロイカの大橋賢治社長は「消費税がかからず個人が気軽に車を売買できる環境を根付かせたい」と話す。

専門業者が査定〜
　専門業者の査定を通じ、安心な中古車だけを個人間で売買できるサイトもある。自動車補修チェーン大手のカーコンビニ倶楽部（東京）などが７月に始めた「カーコン・マーケット」だ。国産車の場合は走行距離が１０万キロ未満のものに限定するなど、良好な品質の車をそろえる。
　全国のカーコンビニ倶楽部の店舗に売り手が持ち込んだ車を、専門スタッフが１００項目以上の審査基準の基づき査定。これに合格した車だけがサイトに掲載できる。販売価格は相場情報を参考に売主が決められる。
　購入希望者はサイトで、希望する車と同タイプの相場価格や車両の細かな傷など詳細な情報を閲覧できる。売買成立の際の手数料は２０万〜３０万で、車両運搬や名義変更手続きになどに掛かる費用とともに購入価格に含まれる。担当者は「１年間のメンテナンス保証のほか、決済も仲介するので代金の未回収などの心配もない」と話している。

投稿者: 松村税務会計事務所

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