所長ブログ

tel_sp.png
メールでのお問い合わせ

2014.10.22更新

こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
 日ごろの食事で野菜を頻繁に摂取する高齢者にカット野菜を売り込むため、食品大手が品ぞろえや生産体制の拡充に動いている。キューピーはグループの工場の生産設備を増強。カゴメは機能性野菜を使ったシニア向け商品を準備中だ。切る手間が省けるカット野菜は一人暮らしの高齢者らの需要が伸びており、各社はシニア市場に暑い視線を注いでいる。
 「医師から多品目の野菜を毎日食べるように指導されているが、手作りの料理は難しいので助かっています」。キューピー子会社でカット野菜最王手のサラダクラブ(調布市)には、サラダ用カット野菜を食べたという70〜80代の男性から日常的にこんなはがきが届く。担当者は男性の消費者も商品が浸透してきた手ごたえを感じている。
 カット野菜といえば特定のメニューをつくるために必要な野菜が入っている袋詰め商品が多い。店頭ではカレールウや惣菜用調味料とセットで売られている。ただ、最近はドレッシングなどをかけるだけのサラダ用商品もシニア層を中心に人気を集めている。「夫婦二人暮らしになり、生野菜を買っても最後まで使い切れないので便利」という声も多いという。し
 サラダクラブはキューピーが51%三菱商事が49%出資して1999年に設立。「ミックスサラダ」など主にサラダ用のカット野菜を手掛ける。2013年11月期の売上高は206億円で、08年11月期から5年間で2倍に拡大した。それを支えてきたのが健康志向の強い、60歳代以上のシニア層だ。
 需要の増加に伴い、1月に熊本市と群馬県伊勢崎市のグループ工場にそれぞれ数億円を投じ、カット野菜の生産ラインを新設。10億円を投じた広島県三原市の新工場も稼動する。生産拠点は全国16ヵ所になり、生産能力は1日85万パックと2割増になる。
 サラダクラブの商品はキューピーのマヨネーズやドレッシングと一緒にした売り場作りやメニューの提案でスーパーに定着し、全国約1万2000店で取り扱いがある。サラダクラブの萩芳彰社長は「1つの売り場で買い物を済ませられるのも、シニアに支持される理由」と分析する。
 カゴメもシニア層を狙ってサラダ用カット野菜事業に参入する。8月に専業大手、青果の仲卸大手の3社で共同出資会社を設立。約9億円を投じて横浜市に新工場を12月に整備し、栄養価を高めた機能性サラダを売り出す。甘草や発芽大豆、低カリウムレタスなど機能性を高めた野菜を使う。
 袋入り(60グラム前後)を248円、パック詰めを298円に設定。他社より1〜2割ほど高めの価格で売り出す。「健康志向が強いシニア層が主なターゲット。まずは食品スーパー数百店での導入を目指す」(藤井啓吾執行役員)と意気込む。
 サラダクラブによると、13年のサラダ用カット野菜の市場規模は前年比5割増の960億円に拡大。今年は1000億円を超える見通し。農畜産業振興機構が13年にまとめた調査では、週に3回以上カット野菜を購入する割合は30〜39歳が2.1%に対し、60〜79歳は6.7%と一番多い。
 少子化などを背景に国内市場の縮小が見込まれる中、食品業界でもシニア向けは数少ない成長市場。手軽に多彩な野菜を食べたい健康志向の高齢者を喚起する次の一手は何か。各社の知恵比べが続く。
 

投稿者: 松村税務会計事務所

SEARCH

CATEGORY

HOME
メールでのお問い合わせ 営業時間 9:00~17:30 定休日 土日・祝日 土日・祝日時間外予約可