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2014.09.19更新


仲卸団体調査
負担重く廃業など検討

 東京の築地市場(中央区)の江東区豊洲地区への移転を巡り、同市場内で営業する水産物の仲卸業者664業者のうち、現時点で移転する意思を持っているのは540業者にとどまることが業界団体の初の調査でわかった。100に上る業者が廃業や合併などを検討し、移転を決めかねていた。仲卸業者には経営に苦しむ業者が多く、移転費用が負担になっているとみられる。仲卸業者は「目利き」として築地ブランドをささえてきただけに、都も資金面での支援に乗り出した。

 調査は、2016年3月までに完成する豊洲新市場への移転を前に、新市場で仲卸業者向けのスペースがどれだけ必要かを調べるため、水産仲卸業者でつくる「東京魚市場卸協同組合」が今年3月に実施した。水産物を扱う仲卸業者(664業者)に移転するかどうかなどをたずねたところ、回答した647業者農地「移転する」と答えたのは540業者だった。
 近年、築地市場では、スーパーなどの小売り側が市場を通さずに漁協などから直接仕入れる「市場外取引」が増加。12年には、築地市場の水産仲卸業者の約半数が債務超過に陥っていた。04年に874あった業者も14年には664業者にまで減少した。
 新市場への移転は1業者あたり数百万円かかるともいわれ、移転費用も大きな負担になっている。仲卸業者には、家族経営で後継者がいない業者も多く、市場移転を機に事業をやめるケースもあるという。
 築地市場内で水産加工品を取り扱う仲卸業者の男性経営者は「経営するだけでも大変で、移転費用まで捻出するのは難しい」と打ち明ける。
 戦後まもなく創業した3代目。家族のほかに従業員を抱えているが、「規模の大きなスーパーには価格で太刀打ちできない」。この経営者は、調査で「移転する」と答えなかったといい、規模の大きな業者との合併も検討しているという。
 組合関係者によると、廃業や合併を周囲に知られたくないといった理由で、調査でとりあえず「移転する」と答えた業者もいるとみられ、最終的に移転を断念する仲卸業者の数はもっと増える可能性もあるという。
 こうした状況を受け、都も12年度から支援に乗り出し、運転資金や引越しに伴う資金などとして金融機関から融資を受ける際、利子の一部を負担している。
 築地市場の仲卸業者は、質の良い水産物を見極める「目利き」として知られる。マグロやエビ、水産加工品など専門分野に特化した業者も多く「築地ブランド」を支える存在だ。
 しかし、仲卸業者は全国的に減少。農林水産省によrと、全国の中央卸売市場で営業する水産や青果などの仲卸業者は1998年度の5956業者から2012年度には3874業者にまで減っている。
 東京魚市場卸協同組合の伊藤淳一理事長は「築地のブランドは仲卸が支えており、新市場にも欠かせないはず。移転は、業者にとって廃業を考えなければならないほど負担が大きく、きめ細かい支援をしてほしい」と話している。

投稿者: 松村税務会計事務所

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