撤退続々、全国で60校割れ
法科大学院の撤退が相次いでいる。今年に入り5校が2015年度からの学生募集の停止を表明。一時74校あった法科大学院は60校を割ることになる。司法試験の合格率が伸び悩み、定員充足率が低迷する法科大学院に対し、国は補助金の配分見直しなどで統廃合を迫る。大学関係者の間では「縮小傾向はさらに進む」との見方が強まっている。
有力校に集中「縮小続く」
「志願者確保のため手は打ったが、限界だ」。
15年度からの募集を停止する新潟大の菅原陽心理事はこう話す。04年に380人いた志願者は、14年度は14人に減少。今春、実際に入学したのは1人だった。
12年度までの修了者の合格率は32%で、全国的には中位レベルだ。しかし、全国の法科大学院の志望者総数が、約7万2千人(04年度)から約1万4千人(13年度)に減る中で、「有力大学への集中が強まった」(菅原理事)といい、専任教員を維持する余裕はないと判断した。
関東学院大と龍谷大も「志願者の増加が見込めない」などとして募集停止を発表。大学関係者は「法科大学院から撤退する大学は続々とでてくるのでは」と指摘する。
法科大学院離れ最大の要因は、司法試験合格率の低迷だ。法科大学院の学生の司法試験合格率は25.8%で、制度が始まる際に想定した7〜8割にはほど遠い。
半数近い大学の大学の合格者は1桁台で、高い合格率を誇る有力大学との「二極化」が進む。「高い授業料と時間をかけても法曹資格を得られない可能性が大きい」などと敬遠され、13年度は64校で定員割れとなり、うち23校は入学者が10人未満だった。
一方で、本来は経済的な理由などで法科大学院に通えない人のために設けられた「予備試験」は出願者が急増。合格率は数%と旧司法試験並みの狭き門にもかかわらず、昨年は約1万1千人が出願した。法学部や法科大学院に在籍しながら「バイパス」として受験する学生も目立つ。
こうした事態を受け、国も法曹養成の態勢見直しに乗り出している。
文部科学省は今秋にも、司法試験の合格率や定員充足率などを基準に法科大学院を5段階に分類。最低ランクに分類されれば、法科大学院への補助金を15年度は半分カット、16年度はゼロにする。
また、政府の法曹養成制度改革推進会議は、司法試験の合格率など一定の基準を満たさない法科大学院に対し、裁判官や検察官を教員として派遣しない制度を15年度から導入することを決めた。
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