こんにちは、北区王子の税理士松村憲です。
中小企業には、公私の区別や
経営の透明性が求められる
ガイドラインでは経営者保証のない融資の促進や既存の保証契約の見直し、保証債務の履行を限定的にするために、経営者に次のような対応が必要であるとしています。
1 会社と経営者との関係(業務、経理、資産所有等)を明確に区分・分離すること
2 財務基盤を強化すること
3 財務状況の正確な把握、適時適正な情報開示等によって経営の透明性を確保すること
このような取り組みを継続させるためには、顧問税理士など外部専門家による検証を受けることや、会計参与の設置による内部統制の強化が必要であるとしています。
(1)会社と経営者との関係(業務、経理、資産所有等)を明確に区分・分離するとは?
例えば、会社と経営者とのやりとり(役員報酬、賞与、配当、オーナーへの貸付等)を社会通念上、適切な範囲とすることや、経営者個人の飲食費を会社経費にしないことなど、まずは経営者が公私の区別をきちんとつけるということです。
(2)財務基盤を強化するとは?
経営者が積極的に経営改善に取り組み、会社債務の返済能力を向上させ、信用力を強化することによって、個人資産に過度に依存しない体質をつくることを意味します。
(3)経営の透明性を確保するとは?
「中小企業の会計に関する基本要領」等のルールに基づいた信頼性のある決算書を作成し、顧問税理士による検証を受け、金融機関に対して、年一回の決算書はもちろん、試算表、資金繰り表なども定期的に開示・説明することなどを指します。
~金融機関に求められる対応
金融機関は、ガイドラインが求める経営者の対応が将来にわたって維持されると見込まれるのであれば、経営者保証を求めないことや、代替的な融資手法(注)の活用を検討する必要があるとしています。また、やむをえず保証契約が必要なときでも、その理由や将来の見直しの可能性について説明することや、保証金額を形式的に融資額と同額にしないことなどが求められています。
(注)融資停止条件または解除条件付保証、動産・売掛金担保融資、金利の一定の上乗せ等
早期の事業再生を決断すると
再起に必要な資産は残される
これまでは、経営者が個人保証の追及をおそれて、事業再生への決断がなかなかできず、そのことが再生をより困難にしてしまっているという問題がありました。
ガイドラインでは、経営者が早期に事業再生を決断した場合には、金融機関は、一定の経済合理性があれば、事業継続に最低限必要な資産等を残すことや、経営者が引き続き経営に関与できるようにする必要があるとしています。
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