こんにちは北区王子の税理士松村憲です。
日本の発展の要因は、勤勉な国民性が大きかったと言われる。そして、いまアベノミクスを掲げる安部政権はその国民性をたのみにして、再び成長戦略をとって国の再生を図ろうとしている。
そこにケチをつけるつもりはない。「日本は平均値で勝負する国。平均値を上げるためには働かない人たちの底上げが一番だ」(三重、51歳男性)、「豊かになったせいか日本人は働き者ではなくなった。もう一度働き者にならなければ」(千葉、65歳男性)という意見もうなずける。
だが、いままでの延長でいいのか。相変わらず日本人の残業時間は欧米に比べて多い。それと関連してか、体や心の健康を失う人が増えている。かたや先進国の中でも労働生産性は低く、人々の勤勉性につけこんだブラック企業の問題もある。働き者であると答えたモニターが6割いるのに、「人間は働き者であるべき?」という質問に「そう思う」と答えた人が4割にに満たなかったには、そんな事情も関係しているのだろう。
「たくさん働くかどうかよりも、働き方の問題。その働き方で本当に自分や社会が豊かになるのか」(大阪、52歳女性)、「ヨーロッパでは定時に帰ろうと長い夏休みををとろうと、日本に負けない生活をしている」(新潟、51歳男性)という人もいる。「現役時代は働き者だった。退職後はなまけている気がして落ちつかなかったが、3年もすると慣れた。もともとなまけ者だったと自覚した」(愛媛、61歳女性)という率直な意見は、一面の真実をついている気がするのだが。
で、話は前回のアリに戻る。巣穴にいるアリの7割がなまけているという話だったが、だからといって集団に貢献していないわけではない。
全員がフルに働いている集団には余力がなく、不足の事態が起きたときなどに対処ができない。一見、なにもしていないアリは「いざというときに働く」ために休んでいる。「集団の存続」にとって大きな意義があるという。
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