三菱重工、世界最大級を目指す
風力発電を設置する場所の水深が深くなれば、それだけ建設コストがかかることになる。維持管理のための時間や手間も大きくなる。1基あたりの管理を効率化するために、洋上風車は巨大化する方向にある。
三菱重工は、より維持管理がしやすく出力も大きな風車開発に乗り出している。9月にベスタス社と、洋上風力発電専業の新しい合弁会社を14年3月末までに設立すると発表した。
風力発電のサイズは、現時点では5千、6千キロワット級が標準的になりつつある。同社風車営業グループによると、三菱重工とベスタス両社の技術を組み合わせた8千キロワットの風車の開発も目指すという。
日本風力発電協会交際部会によると、世界の風力発電の設備容量は12年時点で累計2億8300キロワット。世界の発電設備の5%で電力需要の3%を提供している。洋上風力も500万キロワットが運転中で500万キロワットが建設中だ。
上田悦紀・同部会長によると、中国、韓国、台湾も洋上風力開発に力を入れている。東アジアの複数国が大きな導入目標を提案して欧州並みの大市場を育てるべきだという意見もある。
上田さんは「政府による開発海域指定や産業育成策も重要だ。民間投資が集まって洋上風力開発に必要なインフラの整備が進む。経産省と環境省の事業では、異なる浮体構造に挑戦している。将来、日本の技術の影響は大きくなるだろう」と指摘している。
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